<さくら上映委員会>

「この地球の上に、天の川のような 美しい花の星座を 作りたい
 花を見る心が 一つになって、人々が仲良く暮らせるように」(佐藤良二)

昭和40年代の初め、名金線(名古屋ー金沢)を走る国鉄バスの車掌・佐藤良次さんが、道中の窓から見える二本の巨大な老桜が(樹齢400年=荘川桜)ダム工事によって水没をまぬがれ、移植されていく様子に深く関心を持ち始めたのがきっかけで、桜を取り巻く彼の人生が始まる。
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やがて家族や周りの反対を押し切って、彼は膨大で遠大な計画を立て実行しようとする。
桜の木に打ち込む人生が始まる。
つまり、自分が勤務するパス路線、名金線(名古屋−金沢間)の沿線を桜並木で結ぼうという無茶苦茶な夢に向かって人生を掛け、打ち込んでいく。
勤務の暇をみては桜の植樹に情熱を掛けてゆくようになる。
幼木を植え、手入れし、現場にかけつけ災害から守り、花を咲かせる。
家計を削り、身を削りながら、
雨の日も風の日も、そのことに打ち込む。
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彼の労苦は見事に実りさくら街道は実現する。彼の死後、”奥美濃の桜守”として彼の人生をこの世に残そうと映画化される。
この時期、見事に花を咲かせた桜並木を見ると(「さくら」映画実行委員会<93年映画化>の活動に友人が関わった関係で)以前、仲間を募り映写会に参加したことを、ふと思い出す。
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各地には”花の星座”がある。
毎年、この時期になると、
それぞれに当時の物語を語りながら、桜の花は美しく、咲く。