バブルがはじけた欧州サッカー界と、海外移籍の意義

イタリア代理人協会会長のレベッカ氏はセリエAの日本人選手について、以下のように今季を振り返っています。

ヒデについてペトリッカ氏は「パルマでの問題をボローニャでうまく解決し、今季後半は彼にとってもポジティブな年だった。来季のことは分からないが、パルマに残ることはないでしょう」。

俊輔については「彼は故障が多く、特殊な1年だった。レジーナが最後まで残留争いをしたことで、うまくプレーできなかったこともあると思う。それでもチームは彼に強い信頼を置いているし、残留するのではないか。」

ヤナギについては「今季は状況が特殊で、まずチーム合流が開幕直前でコンディションを整えられなかったこと。日本代表の日程もあり息をつく暇もなかったことはマイナスだったかもしれない。ただ彼は欧州でやっていく技術があるし、環境にも慣れた。来季もイタリアでプレーした方がいいと思う。来季昇格するチームも動き出しているし、鹿島の承諾を得たら彼に合うチームを探す」



【第二、第三のフィオレンティーナを出さないために】
人件費高騰とTV放映権の暴落で、チームによって程度の差はあるものの、財務的に苦境に立つ欧州サッカー界は、ジャパンマネーを当てにして今シーズンオフに、多くのチームが日本の土を踏みます。
今までは思いもよらないチームのゲームを、例え顔見世興行とはいえナマで見れることは素晴らしく、それはそれで単純に喜ぶべきことだろうと思いますが、実際に選手の立場にたって、特に来季海外でやりたい、という日本人選手の移籍がらみについての昨今の状況は、大変厳しいものがあると思っています。
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欧州のこの状況を、競争原理であるとか市場経済の成れの果てだとかいう言説もありますが、健全な経営をするべく新たなスポンサー探しやチームの体質改善が求められている訳ですが、各国リーグの大幹部たちが、自分の身分の保全だけを考えることなく、できればもう少し専門的な財務の勉強もして、移籍金問題や、選手の立場に立って試合数そのものの見直しもメスを加えて欲しいものです。
こちらにはセリエAで今回起こった八百長の件が書かれていますが、手を加えないといかないところはたくさんありそうです。
世界経済が冷え込み、資金の流量そのものが大きく下がっているのですから。今まで通りで良いハズがなく、「改革」すべきはまずはリーグ全体そのものであるかもしれません。そんな現状の中で、自分の地位を上げそして成長するために、向上心を持った日本の選手達が欧州を目指す流れは大いに推進し、絶対に緩めてはならないことだと思っています。

【チャンスがあればどんどん飛び出せ】

・選手本人のチャレンジしたい気持ち、
・チームはその経済効果とチームへの助っ人としての貢献度、
・籍を置いてるチーム(ヒデであればパルマ、ヤナギであれば鹿島)のチーム事情
・財政的に逼迫するチーム事情とチームの選手構成
それらにEU枠外拡大見送りも絡み合って、手慣れた手腕を持った代理人を使って落としどころを探していくのでしょうか。

試合に出れない位なら海外には行かないほうが良いという論調も一部にありますが、これは一般論ですが、私は、駄目モトでも、日本からは今の時期(ここ2,3年)はどんどんチャレンジするべきだし、ゲームに出場できるかどうかは本人の努力と頑張り次第と思っていますので、選手のチャンス作りに日本のチームも協力するべきと思う。



【第二の文明開化】

この件は後で書けたらいいのですが、私はこの時期の日本サッカー界は、トルシエに、いわば”文明開化”(第二次文明開花か?)の目を開かせてもらったのだから、大いに門戸を広げ出入り自由で、新たなステージに踏み出す時期と考えています。そういう意味ではJも外国人枠なんかとっぱらってしまってもいいと。(もしくは”アジア枠”というか)
選手としては、セリエAのヒデが、彼の才能と頑張りで強く大きく門戸を突破してくれたのだから、彼が現役で頑張っているうちがビッグチャンスだと。
海外の経験を積み、自分をレベルアップしたいという彼らの、海外で生活しながら海外のチームでチャレンジすることで、選手にもサッカー界にも失うものなんて何もないハズなんだから。
私は、協会も、目先の代表の試合に出ることよりも、海外の彼らのチームでしっかりレギュラーをとることの方がどれだけ日本サッカー界のためになるかをもう少し考えるべきだと思う。
また、代表の試合=いつでも主力は海外組、という認識も早く捨て去るべきだと思う。しっかり準備ができる余程重要なゲームで無い限り。ジーコはそういう意味でも違った意味で歴史の流れにブレーキをかけている。



【半年レンタルででも】
できれば、希望を持っている藤田や本山、宮本らにもチャンスがあると良いと思うし、特に、DF陣からはできれば2、3人は海外の経験が欲しいと思っている。(中沢とか坪井とか、選手を指定してでも・笑)
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また日本人FWで成功した選手が未だいない中、本人がどう考えてるかわかりませんが、柏の玉田はじめU−23の平山、売り出し中の森本あたりは、早めに海外の経験積めば相当に伸びる素質があるように私は思います。もちろん、その際にどの国のどの当たりのチームを選べばいいかは、先輩たちの動向(失敗や今の状況)を参考にし、良く見極めて欲しいものである。

*写真は、新緑に囲まれた”博多の森
*「どうにもならないことを どうにかしてふたり 酒をくむ」:後ろに「これからどこ行く」、その後に「隠れるように」(笑)