いたさんの「ファンタジスタ論」

数あるblogライターの中でもっともバランスのとれたコメントを書き、いつも楽しみに拝見しているいたさんの「LooseBlog」。今日はいたさんの「俊輔論」が面白く興味深く読めたのでご紹介します。

『2試合連続ゴールにおいても、セットプレーにおいてもゴールを導き出すことにおいてはある程度の結果は残していると思うけど、それでも彼の評価を上げきらない要因として、チームにおいての出来の悪さが足を引っ張っており、そしてもっとアクティブに動ける藤田俊哉小笠原満男を求める声が根強い。それはチームとして、日本代表においてファンタジスタの存在は求められていないのかも知れない。それは個人的には非常に残念なことなですけど、フィリップ・トルシエの施したチームの再来を願う人たち(それは僕もそうだけど)彼のよう優雅に振る舞う事を重視し、走ることを嫌う選手ではなく、チームの歯車として攻守にダイナミックに働ける労働階級を求めているのかも知れない。考えてみたらイタリアの90年代に起こったファンタジスタ冬の時代に非常に似ているかも知れない・・・・・。』(いたさん)

このあたりの分析はわが俊輔に対する温かくも冷静な見方をされていて興味深い。
そういえばスポ新はじめマスメディアが、「俊輔マンセー」なのに対照的にblogや掲示板などのネット界では猫も杓子も「俊輔パッシング」に陥っていることは否めない。代表監督であるジーコに対するやりきれない思いのいけにえとして。

『でも今の日本代表に一番足りない部分を補えるのも彼の才能(ボールを持ったときのテクニックやアイデア、キープにしても)が出来る可能性は充分にあると思います。彼自身もこのポジションをやるためには、色々な努力が必要だと思います。当たりの強さが強まることになるけど、その中で逃げないでイイポジションでもっと巧みにオフ・ザ・ボールの動きをしてボールを受ける努力をしたり、長めのパスにもランニングして裏を狙う姿勢ももっと強めなければならないです。でもそういう姿見てみたくてたまらない。もちろん今まで通り求める部分は変わりません、フォアチェックにしてもきっちりとやらないと行けないし、運動量は逆にもっと必要かも知れない。だからこそそういう訳で僕は俊輔が日本に必要な存在だと信じている。それは誰が監督だろうと変わらない。』(いたさん)

彼ほど”一芸”の人はいないのだろう。球捌きにおいては、世界的ともいって良い才能を見せている。そういう意味ではナカムラは日本を代表する稀有な才能なのだろう。
いたさんは彼の優れた部分を活かすために前線での起用を提案されていて面白い。『ロベルト・バッジョジャンフランコ・ゾラのように』(いたさん)
実は私は、俊輔は若いしまだかなりな伸びシロを持っていると思っている。そして本当はもう少し走れると思っている。彼のことが好きであるが故にいつも苦言を呈してはいるが、少しは効率的に走ることを覚えてもらうことを願っている。
彼が30過ぎたらバッジョのようなプレーをドキドキわくわくしながら見たいとは思うが。
私は、できればあえてオフェンシブハーフで、戸田のような”労働者階級”の汚れ役を従えて、DFの前に陣取って、攻撃の基点になる「俊輔における新しい日本の”ボランチ”像」を夢見ることもある。
あくまでも、いつもいつでも得点にからみ「決定的」な仕事をし”見出しに乗ることを夢見る”俊輔、ではないプレー。
そうではなく全体の流れを引き出しゲームメイクするそんな俊輔。小野との戦いに勝たないといけない難問はあるが。
もちろんその時は相手のチャンスをツブすためにキレ味鋭いスライディングタックルもして欲しいものだが。私は、本当は彼はそれができる人だと思っている。



*写真:今回、宿のおかみは囲炉裏に道端に咲いてる花を活け釜を部屋に持ち込んで朝食を作ってくれた。炊きたてのあったかごはんをお替りしたのはいうまでもない(笑)