「一ケ中国人是龍、一群中国人是虫。一ケ日本人是虫、一群日本人是龍」

「ユーロ2004」を毎日、ステキなコラムで現地から我々に伝えてくれた宇都宮徹壱さんが、現在は中国に滞在し、アジア杯の模様を伝えてくれている。
今日のコラムは題して、「強豪たちの復活」ウズベキスタンイラクについて書かれてあるが、私は、25日付けの「あらためてブーイングについて考える」のコラムが非常に興味深かった。
こちらは宇都宮ファンでなくともおすすめしたいコラムだ。

『昨日のタイ戦における、日本代表への仮借なきブーイングについても、おそらくは知識や理性だけで解決できる問題ではないように思えてならない。われわれ島国の人間にはおよそ理解できない、この国特有の感情や生理というものが確実に存在することをあらためて思い知らされる。もちろん私自身、昨日のブーイングについてははななだ不愉快な思いであった。』(宇都宮さん)

あのブーイングは地元の中国人のものであったがTV画面でも音声を通してはっきり聞こえた。試合前の厳粛な国歌の際には不愉快にもなったのは確かだ。

『だが幸いにして、サッカーのルールは万国共通である。中村俊輔が豪快なフリーキックを突き刺してしまえば、それだけで理不尽なブーイングは霧が晴れるがごとく止んでしまう。それが、サッカーのすごさであり、素晴らしさではないか。』(宇都宮さん)

『よほどのことがない限り、中国はこのままファイナルまで勝ち進むことだろう。ならば、日本も決勝まで一気に駆け上がり、北京で大ブーイングを浴びながらもアジアカップ連覇を果そうではないか。もはやこの戦いは、ジーコ・ジャパンや日本協会だけの戦いではない。われわれ日本人のプライドを賭けた戦いなのだ。』(宇都宮さん)

確かに。それにしても宇都宮さんの文章は明瞭な文章で読者に伝わりやすく素晴らしい。

『「一ケ中国人是龍、一群中国人是虫。一ケ日本人是虫、一群日本人是龍」
 一人の中国人は龍だが、集団になると虫である。一人の日本人は虫でしかないが、集団になると龍になる――中国の人々は、日中の国民性の違いをこのように見ているらしい。なるほど、と私は思わずヒザを打った。』(宇都宮さん)

中国には以前からの友人もいるし上海人の女性ともしばらくの期間お付き合いさせて頂いた経験がある。私は”龍”である中国人が大好きである。宇都宮さんが仰るように、ちょっと気分は悪かったがあのブーイングを黙らせるには、過去の歴史を改めてヒモといたりここでいきなり政治的な話をするのではなく、サッカーで決着をつけるしかない、と私も思っている。
現在グループリーグを戦う日本代表がやがてくる”その日のために”コンディションを整えて欲しいと思っているが。
スポ新情報によるとジーコは目の前のゲームのことしかないように見える。いつものことだが。