勝利へのあくなき執念

orion10142004-08-03

アジア杯準決勝【日本代表VSバーレーン代表】:8月3日、中国済南
日本は、川口、田中、宮本、中澤、加地、遠藤、福西、三都主、俊輔、隆行、玉田の3−5−2。
予想通り、準々決勝と全くの同じ先発メンバー。
うーん。
もう、呆れたを通り越して何もいう事がない。意地の張り合いだな、こりゃ、と先発メンバー発表を見て思う。我々の”選手たちを想う気持ち”と現場の戦略は全く重なり合わない違和感は続く。これまでも、そしてこれからも。さて選手たちのコンディションが心配だが選手たちは最後まで持つのだろうか。

前半開始早々6分にバーレーンスローインからA.フバイルがDFを背負いながら右隅へ見事なゴールでスタートしたこのゲーム。どちらかといえば、前半は日本がボールをキープし前線での組み立てながら仕掛けるがなかなかゴールまで至らず無得点。
そんな中、前半40分、ボールを奪いにきた選手を手で払ったように見えて(実際はファウルを取られるようなプレーではない)納得できない審判の判断でなんと遠藤が一発退場。
一人少ない日本はここで4バックにすべく田中を中田浩二に交代。
肉体的には疲弊しているにも関わらず、これまでと違って今日の三都主、玉田は動きが良い。この二人がチャンスを作るもなかなか得点に至らず前半は0−1。

後半開始から動きの余り良くない福西に代わり小笠原と交代。中盤は、俊輔とオガサでボールの出だし(基点)が2箇所となりボールも回り1人足りないハンデを感じさせない。守備陣は試合開始から終盤まで終始中澤のキレ味ある守りで決定的な場面を何度も防ぐ。

後半3分、中村のCKを浩二の打点の高い見事なヘディングシュートのゴールで1−1。
後半10分、浩二の決定的なしかも素晴らしいスルーパスが左サイドの玉田に通りドリブル突破から強引にシュート、角度のないシュートだったが左上ネットに突き刺さる。これで2−1。
この時点で、今日の中田浩二への交代は実に的を得ているといえる。
後半26分、バーレーンのA.フバイルがスライディングしながらの右足シュートで2点目を上げる。2−2の同点となり、点の取り合いの様相。
後半40分にもバーレーンのカウンターから数的優位を作られ左サイドからナザルの右足シュートでゴール。日本逆転される。2−3。
ここで、日本は加地に代えて西を投入。この交代は攻撃に変化を持たせるのと、西の右からの鋭い攻撃を生かそうというものだ。
後半ロスタイム、日本、ボールを奪った玉田がスルーパスからチャンスを作り中澤のダイビングヘッドでゴール。1人少ない中の終了間際に日本は同点に追いつく。3−3。
選手たちの勝利へのあくなき執念。決して諦めないという強い気持ちには驚きを禁じえない。

準々決勝に引き続きこの試合も延長試合となる。延長は15分づつの30分で決着。
選手たちの肉体的疲労はもう限度を超えているだろう。あとは精神力だけで走り、守り、繋いでいくのか。
延長前半、日本、カウンターから玉田が突破、1対1をゴール右隅にゴール。日本、貴重な延長でのリード。シーソーゲームの打ち合いで4−3。得点入るゲームは面白いが選手たちは大変だ。
それにしても選手たちは精神的にタフだ。隆行も玉田も足は動かないハズなのに必死に走っている。
バーレーンも数的優位を生かしサイド攻撃するもなかなか得点に至らず。そしてバーレーンの決定的なチャンスにも中澤はじめ守備陣もフラフラになりながら守る。

みんなフラフラ、主審もフラフラ。みんな疲れている。精も根も尽き果てている。
ようやく主審のホイッスルでゲーム終了。選手たちは真夏の大会に中二日で120分を2試合続けて戦いました。そういう意味では選手たちの見事な勝利だったと思います。

今日のゲームは本当に素晴らしい試合でした。(サッカーゲームとしては。点取り合って逆転につぐ逆転)
おそらくこの試合は日本代表にとって今大会最高のゲームになったと思います。決して日本の一方的な勝ちゲームでは
ありませんでしたが、早い時間での一人少ない中、選手たちは本当に良く頑張ったと思います。
もちろんチームマネージメント等深い問題もありますが、今日のところは選手たちの頑張りにこころからの賞賛を
与えたいと思います。前試合は川口、今試合はみんな頑張ったけど玉田と中沢がMVPでしょう。

個人的には隆行には感動した。できればゲームを落ち着かせる為に4バックにして今日良かったオガサ(ミスは試合勘の問題、元々オガサは先発タイプ)と浩二を先発で使って欲しいが、試合後の評価・反省という発想がないジーコは怪我人出ない限り恐らくそうはしないだろう。
決勝の相手が中国であっても、イランであっても、身体のケアを十分にし、決勝までゆっくり休んで欲しい。コンディションは試合を積み重ねるごとに良くなっていると、足攣らせながら玉田は言ったが、本当か?
できれば決勝は、圧倒的なアウェーの雰囲気の中、開催国である中国と戦い連覇したいところですが。