アテネ”総括”

アルゼンチンの優勝ゲームは録画でみることができたが、優勝するに相応しい戦い方をしていた。ビエルサもフル代表並みに、選手たちに戦術理解を求めたのだろう。マラドーナの再来と言われる20歳のテベス(ボカ)も、8得点と勝負強さを見せた。サビオラバルサ)を控えに追いやって、大きく将来が広がっているテベスにとっては、今後、欧州のビッグチームから勧誘されるのは間違いない。

初の金メダルの栄誉に輝いたアルゼンチンも17得点、無失点と、強いチームであったが、私は同じく南米のパラグアイ代表チームには将来を感じた。この世代がこのまま成長していき早い時期にオーバー世代と肩を並べるようになれば可能性を持ったチームになるに違いないと思った。決勝は、後半ふたりの退場者を出したものの五輪を通して彼らの試合巧者ぶりは、印象深いものではあった。

アジアの中では、日本チームが期待を裏切ったのに対して、イラクの健闘ぶりには目を見張るものがあった。彼らの奮闘ぶりには未だに戦乱やまない混乱の地で、彼の国の人々の誇りと歓喜を呼び起こしたに違いない。イラクには満足にピッチもない状態からチームを作り、よくぞここまで戦ったものだ。
そういう意味では、余計に手間時間と資金をかけチーム作りした山本氏のチームの戦績には、暗澹たる思いにかられてしまう。試合後のイラクの監督や選手には、山本氏のような「ないものねだり」や勘違いな発言は一切ない。

ところで、「アテネの総括」って、やるんだよね。いつか。そのうち。
それぞれの分野で役割分担すべきセクションを持つ日本サッカー協会は真摯に仕事する気があるんだろうか。
あるよね。

アテネ五輪及びU−23世代における02年以降のチーム作りと戦い方】
アテネ五輪グループリーグ敗退結果を踏まえて(結果を受け止めて)その反省と総括】
または【日本サッカー界にとってアテネ世代のグループリーグ敗退は何を意味するのか】
【今後のU世代における強化プロジェクトの見直しとその方向性】
北京五輪へ向けての強化方針】

お題目をつらつらと上げてみたけど。(お題目だけなら、いくつでも・笑)
協会も”谷間の世代”と割り切るような真似はしてほしくない。
指揮官が山本さんならアジア抜け出すのが精一杯だった、というのが大方の結論かも知れないが、いつまでもグダグダと書き続けたくないので協会のお仕事、待っています。

ところで山本ジャパンについてのこれまでの戦い方についての検証については、(現在も進行中ですが)ケット・シーさんのBLOGが、明快に山本ジャパンの組織面における問題点や課題について語っており、こちらをおすすめ致します。
「もう『次』はないのだ」
「大きな大会の初戦」
「山本ニッポンの『組織』」
山本ニッポンの『組織』2

北京は、東アジアのライバル達も、開催地が同じアジアということで相当にチーム強化してくるだろうことは予想できるが、このところ”欧州サッカー”を注入し始めた中東の屈強な精神力と身体能力も侮れない存在となるだろう。

さて、北京で戦うべき次の世代の強化戦略は、果たして、どのようなカタチで我々の目に触れることになるのだろうか。