雑誌の話し

最近、中身の薄い、しかも歯ごたえのないサッカー雑誌ばかりなので、購入する気がなかなか起こらず、サカマガもサカダイもその他の雑誌も買わなくなって久しい。
先日の、独占2万字インタビュー・大いに語る久保竜彦の「Footival」は、ドラゴン好きにはたまらないタイトルに惹かれて、思わず買ってしまったが(笑)
「サッカー批評」(双葉社)も、作り手が変わったのか、A4サイズになってからは、販売部数を伸ばしたい意欲満々なのはわかるが、最近、”タイトル倒れ(負け)”の内容ばかりで、ちょっと味気なくなっている。
第一、読者をうならせるような読み応えのある文章や、ヒザを打つような文章になかなかぶつからない。
この秋号(#24)も、珈琲のみながらの暇ツブしにはいいかも知れないが、こころに残るべき記事が余りなかった。
昨日から、遠出するのに数冊の本持参で、出かけた。
サッカー批評」24号の中では、「日本サッカーの源流を探る」と題して、大商大の上田総監督のインタビュー記事は丁寧に読めた。

氏の43年間のサッカー指導者生活で特筆すべきはその成績や業績よりも”指導者の指導者”としての半生であろうか。
小嶺、古前田、小林伸、松永英など怱々たる面々を教え導いただけでなく、加藤好、勝矢、本並、高木などJリーガーも教え子で、またユニバやB代表監督として、山本昌アテネ五輪監督)、岡田(横浜監督)、田嶋(協会強化委員)、西村らが氏の薫陶を受けている。
この中にも書いてあったが、国内サッカー界において、上田チルドレンの影響は未だ大きいと言えるだろう。

このインタビュー記事で、一番面白かったのは、やはり日本サッカー界の父・クラマーさんについて語る場面であるだろう。少しだけ紹介すると。

クラマーさんに影響を受けたこととして、「指導とは教えるとか教わるとかではない。指導とは、悪い習慣を取り除き良い習慣をつけること。極言すればそういうことです。それから指導者が地位や名誉を欲しがってはいけない。選手に慕われるのはいいが、好かれるのではいけない。好かれようとすると妥協に走ってしまい、結局それは選手のためにならない。」

また、トレセンについて。

トレセンが機能してないと思うんですよね。一言で言えば素材の分析ができていない。選手を見抜く力がない。どういうことかというと、まずテクニックの上手い子、早熟な子を選んでしまう。こういう子はしかし伸びしろが少ない。」

上田さんの語りには、薀蓄があり、納得すること多かったが、教え子・山本さんを”過大評価”しているのにはちょっと驚いた。ま、誰しも、本人と相対した時は苦言垂れても、教え子への評価は甘くなるのだろう。