サカマガ1000号

サッカー専門誌として「1000号」を迎えたことは喜ばしいことだと思う。
今回、1000号の企画のひとつに「ジーコ&岡田対談」があった。あちこちのサイトやBLOGで触れているので、内容についてはここでは詳しくは触れないが、驚くことも、新たな発見もなく、私にとっては目新しい話しは何一つなかった。取り立てて騒ぐこともない、といった感じか。

勿論、この記念すべき新旧代表監督同士の顔合わせ企画そのものは、面白いとは思うし、”普段着”の自分の言葉を持っている岡田さんなら、ジーコも話しやすいよな、とは思った。
互いの心的交流や、今日のサッカー観の確認にはなっただろうが。
岡田さんの普段からの率直さで、ジーコの持ってる引き出しを少しは開けることには繋がったかも知れないが、内容に歯ごたえもないし、「言ってる事」と「やってること」と、理想と現実のハザマは、この対談程度では少しも埋め切れてはいない。
ジーコ本読んだことのある人なら目にしたことがある内容ばかりで、「引き出し開けた」とか「岡田はよくぞ聞いてくれた」とか、興奮するまでも無い事なんだけど(笑)
それより、(仕事としては,危ない橋渡りながらも、ようやく、慣れてはきたけど)ジーコには代表監督として、「今後の指針」や「進むべき戦略」や「全体像」は語りきれない人だからね。
ま、私のような古くからのジーコ好きの、”スター対談の読み物”としては時間つぶしになったし、面白かったが。

それと、歴代編集長に花を持たせるためにページを割いたのだろうが。この企画↓はヒドイ代物だ。

そんな連中による「日本代表ベスト50」なんていう企画は、止めたほうがいい。
サッカー選手にとっての格付けのトップは、WC予選を戦い、そして本番で勝ち点3を取る為に活躍すること。その次がアジア杯等の公式戦でチームの業績を上げる為に活躍すること。
そこを物差しの頂点にしないで、何も考えずに好き嫌いで選んだのだろうが、ヒドイな、この企画。
協会副会長である釜本氏をトップに持ってくるなんぞ、確かに代表キャップは引き出しに入らない位多いかも知れないが、また協会へのゴマすりなのかも知れないが、選手としての格は、今のところWCに2大会連続出場し、その予選も、五輪本戦も戦っているヒデ以上の選手はいないはずだ。おまけに彼は、バリバリの、セリエAのチームの中心選手でもある。
そして、00年アジア杯優勝キャプテンで、怪我をしながらもWC出場しキャプテン務めた森岡(清水)の名前が、ベスト100の中にないことで、私はこの選出をした連中がいい加減な、エセジャーナリストであることがわかった。
先人たちへの敬意は忘れてはならないし、尊ぶべきことであるが、56位の川淵氏なんかより、森岡や、中西や、戸田の方が、選手としての”格”は、遥かに上だろう。

個人のBLOGじゃあるまいし、こういう企画を立てること自体がサカマガを購読する気を失わせてしまうのだが。老いぼれた彼らにはわかっていないのだろう。「半世紀上代表を見つめてきた」なんて、よく言うよと言いたい。
日本のサッカー文化が中々成熟しない要因は彼らにもあるのだ。
1000号などに浮かれてないで、サカマガが、サカダイと同様更なる精進をすることを願う。