連勝福岡、入れ替え戦へ

orion10142004-11-27

こういうゲームは、どんなカタチであれ、相手より早く得点をすることだろう。
内容は、ホームの山形の方が良かったし決定的なチャンスも数多くあった。しかし、ゲームを通して、アビスパは勝者に相応しいゲーム運びをしたと思う。
入れ替え戦を戦うには、福岡は、引き分け以上で良いが、山形は、勝ち点3を取る必要があった。
前半は守りきり、後半に勝ち点をあげる為に山形が前がかりになればスペースも生まれる。得意のサイド攻撃でそこを突く。というのが松田さんの戦略であっただろう。
ホームの圧倒的な声援をバックに山形も良く戦ったが、最後は、気持ちの上でアビスパの選手たちの方が上回っていたように思う。福岡には連勝の勢いがあった。
私は、先制点をどちらが上げるかで全てが決まるだろうと思っていたが、前半を無得点・無失点に終わり、後半、風上(この日は左から右への強風だった)に立った福岡がチャンスを作るだろうと思った。

前半:山形0−0福岡
後半:山形1−3福岡[有光、有光、アレックス(福岡)根本(山形)]
合計:山形1−3福岡

数少ないチャンスをものにしたFW有光の、2つのゴールシーンは見事なものだった。
MVPは、有光。
チーム一丸となって勝ち取った勝ち点3であるが、敢闘賞は、空中戦を制し、良く守ったキャプテンDF千代反田と、同じくセンターバックを張った増川に上げたい。
■【8連勝の軌跡】

         相手   得点  得点者             両サイド   FW
11/27:44節 ○ 山形   3−1 FW有光×2、DFアレックス  宮崎、山形  有光、エジウソン 
11/23:43節 ○ 鳥栖   2−1 FW有光、DFアレックス    宮崎、松下  有光、エジウソン 
11/20:42節 ○ 湘南   1−0 MFホベルト          宮崎、山形  有光、エジウソン 
11/ 6:41節 ○ 川崎   2−1 MHエジウソン、FW太田    宮崎、山形  有光、エジウソン 
10/30:40節 ○ 水戸   2−0 FW有光、MF山形       宮崎、山形  有光、エジウソン
10/23:39節 ○ 甲府   2−1 MFエジウソン、FW有光    宮崎、山形  有光、エジウソン
10/16:38節 ○ 札幌   1−0 MFホベルト          宮崎、山形  有光、エジウソン
10/ 2:37節 ○ 仙台   2−1 MF山形、DFアレックス    宮崎、山形  林、エジウソン
 9/26:36節 ● 京都   1−3 MF米田            宮崎、山形  林、エジウソン
 9/23:35節 ● 大宮   0−2                 古賀、山形  太田、林
 9/18:34節 ● 横浜FC 1−3 FW林             古賀、山形  太田、増川

[3rdレグ最初の試合]
 7/24:23節 ● 京都   1−2 MF古賀            古賀、山形  福島、増川
   
[2ndレグ最初の試合]
 5/15:12節 △ 京都   0−0                 古賀、山形  田中、ベンチーニョ

[1stレグ、開幕試合]
 3/13: 1節 △ 山形   2−2 DF平島            古賀、宮崎  林、ベンチーニョ

■節目の試合、FW増川のDF抜擢
第4レグが始まり、J2は、川崎以下に大差がつき、2位以下は大混戦となった。その混戦の期間に34〜36節まで3連敗した今季のアビスパ福岡は、昇格圏2位以内の芽がかなり小さくなり、余程のことがない限り3位以内に入るのも困難となった。

しかし、アビスパ福岡は戦術的には3連敗中の35節が節目となり、その後の連勝に繋がっていったように思う。
センターバックを張るキャプテン千代反田(183cm、東福岡ー筑波大)の横に、松田さんは、前節までFWを張っていた増川(191cm、大商大)を抜粋したのだ。これによって8試合で5失点と、守備陣が安定した。

■両サイドと山形の成長
アビスパの攻撃の生命線は、あくまでもワイドなサイド攻撃である。

当初は、古賀誠二がサイド攻撃の中心として片翼を担っていたが、広島を自由契約となり当初アマチュア契約していた山形(東福岡出身)がプロ契約となった4月半ばからは、その活躍もあって彼がサイドを張るようになり攻撃の一躍を担うこととなった。
山形は、今月20日に全治2週間のねんざ(右足関節内反捻挫)を負ったにも関わらず、なんと彼は重要な決戦となった7日後の最終戦に間に合わせてきたのだ。

■助っ人FW
7月末の契約満了に伴い左足故障していたベンチーニョが退団。これによってベンチーニョは、10年間のJリーグ選手生活(ヴェルディ→柏→大分→川崎F→福岡)を終えることとなった。

その、後釜として、ブラジルやレバノンで活躍していたFWエジウソンが、第3レグから加入することとなった。エジウソンは、しばらくは機能しなかったが第4レグになってから、攻撃の起点となって機能するようになり、第36節からはそれ以降先発FWとしてチームの中心選手となった。エジウソンは、8連勝の影の功労者と言って良いし、その決定力はベンチーニョ以上とも言って良い。

■FW有光
スピード豊かな有光は、地元、東海大五高出身で、01年5月迄イタリアのセミプロ、レアル・チェザーテに約9か月在籍。

まだ23歳の有光は、エジウソンと合うのか、前への突破力と決定力は現在のチームの中では群を抜いている。彼が先発し始めてからチームも波に乗り連勝街道を突っ走った。
覚醒したように見える有光であるが、私はまだまだ伸びシロがあると見ている。


■監督の志
この連勝の始めの時期、先月10月4日、長崎にて松田監督の父上(享年70歳)が亡くなった。
松田さんも、心中期するものがあったと思う。
■グッジョブ!
27日福岡発仙台便JAL3531便の機長、グッジョブ!

機内アナウンス:「アビスパのJ1昇格を祈ってます。」

■ゲーム後のエール交歓
僕たちは山形の分まで戦う!!

   山形の人たちが試合後エールを送ってくれた!
      ありがとう!
         僕たちのヤマガタコールも届いたと思う!
                                                               (山形へ遠征したオータさん)

■市庁舎「ふれあい広場」は大盛り上がり
天神のド真ん中にある市庁舎の広場には、500人以上のアビサポが集まり、ゲームを見守り、声援を送った模様。夕方のTVニュースでも取り上げられていたが、入れ替え戦でも同じような光景が見れると良いと思う。
放映権問題もあるのだろうが、TV局に話をつけ、西鉄福岡駅の階段下の大スクリーンでもやるべきだろう。あそこなら雨天でも大丈夫だ。

ひとまず挑戦権を得ただけだ。喜ぶのはまだ早い。さて、入れ替え戦の相手チームは、明日、決まる。

福岡には勢いがあるが。