優先するのは志
「サッカー批評」は買い続けているが、最近ヌルくなってきた。A4版となってからは素人受けするタイトル掲げて内容薄く。タイトルだけに精魂傾けてまるでその点は女性誌か東スポ並み。
しかし、今回の25号(1月10日号)は少し違ってきている。
まだ途中であるが。「日本のテレビはサッカーをどう伝えてきたのか」では、やはり一番にダイヤモンドサッカーに携わった金子勝彦さんを取材している。
このように細かな取材と裏づけにエネルギーを注いだ文章は引き込まれる。
1%を切る視聴率の時代もありながら900回以上続けた12chの「ダイヤモンドサッカー」について。
とにかく最高のサッカーをファンに届ける、それだけに邁進した。金子は言う。「あれは使命感だよ。すべてのことに優先するのは志。日本が世界に進出するためにサッカーは大きな武器になると、三菱グループが総力を挙げてバックアップしてくれた。」
現在のTV中継に対して、プロデューサーだった寺尾氏は、「もっとサッカーを過不足なく、素直に見せて欲しい。」「スローVTRの執拗な繰り返しは目に余る。プレーは始まってるじゃないか、とイライラします。」と、理想はプレミアの放送であると言う。
ついでにサッカー中継のデータが掲載されていたので、上位だけ紹介。
対戦カード 期 日 局 視聴率 1.02WC 一次リーグ 日本ーロシア (02.6.09) フ ジ 66.1% 2.02WC 決 勝 ドイツーブラジル (02.6.30) NHK 65.6% 3.98WC 一次リーグ 日本ークロアチア (98.6.20) NHK 60.9% 4.98WC 一次リーグ 日本ーアルゼンチン(98.6.14) NHK 60.5% 5.02WC 一次リーグ 日本ーベルギー (02.6.04) NHK 58.8%
Jリーグの中継視聴率ランキングも掲載していたが、その殆どが93年のJ創設元年と翌年の中継のだ。未だに最高視聴率であるJ開幕戦(V川崎ー横浜M)が32.4%であることを見ても、WCの視聴率がいかにオバケな数字であるかがわかる。
ここでは、高校サッカーやトヨタカップを継続して中継してきた日本TVのチーフディレクターやスカパーも取材しているが、スカパーの広瀬マネージャーの話は面白く、多くの示唆に富んでいた。
「やはりサッカー観戦はスタジアムに行くのがベスト」「テレビの前の人に、『このスタジアムに行きたい』と思わせること。」「究極はJリーグ」「理想は、アジア各国から最高レベルの選手が日本に集まって、放送権を多くの国に輸出できるようになること。アジアの子どもたちに『ここらでは日本が最高だよ。だってオレたちの国のアイドルがJリーグでプレーしてるからネ』と思ってもらえるような場所になってほしい。」