6月の勝利の歌を忘れない

午後からオフだった。旅の後の、ハードな週の疲れを取るために少し横になったりした。こういう風に音楽聴いたりして、ゆっくりとした時間を設けることができたのは久しぶりだった。
■「6月の勝利の歌を忘れない」
部屋に暖房を入れ、珈琲を手にし「6月の勝利の歌を忘れない」のDVDを手にしたのには別に理由はない。
現在の日本代表は、2月9日に最終予選の初戦を迎える。この試合はドイツWCへ向けての重要な一戦となる。
そして3年前のチームがどうだったかを、我々は良く知っている。
さて、何度となく、WCに向かい戦う選手たちの映像を見てきたが、今日はトルシエ監督(現・マルセイユ監督)と山本コーチ(現・磐田監督)の発言に着目しながら見た。
二人とも、現在、場所は違えども新任地で指揮を振るっている。監督として今季は後退は許されない位置にいるし、正念場を迎える。そして、映像に写るふたりにはまだ若さを感じる。
DVDの一枚目を見て、二枚目。

WCグループリーグ第二戦、0−0で迎えたロシア戦のハーフタイム。ミーティングでのトルシエの熱弁。
『「そして、後ろ(宮本、松田、中田浩の守備陣のこと)は、キチンと仕事をしてて、問題ない。松田も中田(浩)も、良くやっている。」「松田に、敢えてひと言いえば、このゾーン(前線の右)にフィードを!クロスじゃなくて、真っ直ぐに。」
「もちろん、今は膠着状態。」「膠着状態だから、中田(英)はじめ小野も、柳沢も、膠着状態を打開しないといけない。」「自分の技術を使って、もうちょっと、もうちょっと出してくれ!」トルシエは、この3人を見つめる。
「自分のボールキープ、仕掛け、自分のリスクの取り方。中田、小野、柳沢、今は足りない!」
「伸二はもちろん、守備は良くやっている。わかってる。でも、パスだけ。パスだけじゃ前に進まないよ。スペースがあればリスクを取って、自分で運べ。」「そういうもうちょっとの勇気が必要だよ。」
「柳沢は良くやっている。だけど、ボールを持てばスピードもあるし、技術もある。今日の試合は、そういう個性、個人技で勝つかも知れない。もうちょっと出してくれ。自分の個性のプラスアルファを。もうちょっと仕掛けろ。」
「勇気を出してやろう。」』

このチームは、肉体的にも精神的にも、このロシア戦がピークのような気がする。攻撃についての組み立ては、この3人が中心である。トルシエは、指揮官として3人に厳しく要求する。
彼らの「個人技」を、そして「個性のプラスアルファ」を!
そして、リーグ戦2勝1分けの後、決勝トーナメント。

トルコ戦の試合前のミーティングはひとつの達成感の中で行われる。
トルシエは自らの言葉でもう一度チームを締めなおそうとする。