無失点ゲーム

【J2第3節仙台VS福岡】:仙台スタジアム
15、247人と、J2で一番の観客を集めた注目のゲーム。
アビスパのこのゲームの注目点は、新加入グラウシオの来日初起用。
そして2試合連続1失点の守備陣が、バロン不在の仙台に対し、失点をゼロに抑えることができるかどうか。
また、試合直前に発生した福岡地方の強烈な地震を受けて、選手たちがどのようなパフォーマンスを見せることができるか。
以下、雑感のみ。

アビスパにとって昇格争いのライバルと見られる仙台は、敵ながら重症と見た。都並さんもしばらくは苦労するだろう。彼が効果的な対策を早めに打つことを望みたい。
何より仙台は、攻めのカタチが欠落している。2得点をあげたアビスパが、意識して守勢に回った後半は別にしても、特に前半は、アビスパへの練ってきた「対策」が十分でなかった。アビスパボランチホベルトのボールの散らしに、効果的な反応ができていなかった。
アビスパは有光がようやく今季初ゴール。彼はこの日は2得点を挙げた。吹っ切れた彼は、グラウシオというファンタジスタを得て、これからゴールを量産することだろう。

■山形戦がポイントか
現在の仙台相手の無失点ゲームは当然としても、守備陣には次戦ホームの湘南戦とその次の山形戦での連続無失点ゲームを期待したいところ。
もしかしたら、山形戦が序盤にペースをあげるべき”ポイント”のゲームになるかも知れない。
攻撃陣も、このまま調子を上げていけば、二人の外国人頼りの京都のはるか上を行くことは間違いないが、4節湘南戦、5節山形戦の連戦で、どこまで決定力を示せるかを見てみたい。
W林の怪我やブラジル遠征するMF中村北斗不在は、それほど響かないと私は見ている。
■「悔しさ」を意思表示すること
<追記>
聞くところによると、
試合後の相手チームのサポの雰囲気の中に「悔しさ」の空気が”欠けていた”ように見受けられたとか。
余計なことであるが、少し気になるところだ。
だいたい他チームのことは放っておくべきことなのだが。
「悔しさ」加減が少ないチームは、絶対に強くはならないし、チームとしても成長はしないと思う。
サポの温度は選手には敏感に伝わるものだ。
どちらかといえば、サッカーそのものを”楽しみたい”度が高い私でも、応援する選手が調子悪いと落胆するし、気分転換するのに手間どることがある。また、チームがだらしないゲームをすると憤懣やりかたなくなるものだ。
戦いにおいて「悔しい」気持を強く持てるかどうかは、実はとても重要な気がする。

以前に、伏見工業高校ラグビー部総監督の山口先生と所用で一緒だったことがある。
二人だけの車中で、山口先生が私に熱く語ってくれた。
「悔しさ」こそが成長するためのスタートでありそれなしでは、実は闘える集団には決してならない、と。
負けて平気な連中は、いつまで経っても勝てるようにはならない、とも。
山口先生、監督就任後の一年目の大会初戦の名門花園相手に、100点以上の得点を上げられた。しかもこちらは得点ゼロ。試合後に、負けても平然とした選手たちを(愛情込めて)殴り倒しながら、その「悔しさ」を山口先生は注入しようとする。
「負けて悔しくはないのか?」「ホントは勝ちたいんだろ?!」と。

サッカーの場合、駄目なプレーや、選手の消極的なプレーには、サポの強烈なブーイングこそが選手の背中を衝き動かす。もちろん、負けたら徹底して心を鬼にしてブーイングだ。
実は、クラブを弱小チームにする方法は、「悔しさ」というこの部分を不足させればいいような気がする。

それと、私たちの身の回りには、悔しさの少ない子供たちが多すぎませんか?