激しい打ち合い

【J2第5節、鳥栖ー京都】:鳥栖スタジアム
試合前の自分なりのポイントは、下の3つ。

1.久しぶりに目にするボランチ米田のこと。彼がどのような成長と変化を見せているのか。
2.京都といえば、2トップFWのふたり。結果は出しているが、どれほど凄いのかこの目で確かめたい。
3.柱谷監督が、今季、どのような4−4−2を作っているのか。

終わってみれば、見てるほうには面白い白熱のゲームだった。
しかし、鳥栖は京都に2−3と逆転されたのだから、ゲーム後にサポが喝采するほどのこともない。サガンサポは、試合後に選手の健闘に拍手したかったのだろうが、喜ぶのはまだ早いと私は思う。

後半終了間際、リードされた京都に攻撃のスイッチが入り、怒涛の攻撃が始まったが、鳥栖はそれに合わせて浮き足立ってしまった。
その点だけが非常に残念だった。
他は、育夫さんの打つ手もズバリ当たったし、選手たちも強い京都相手に良く動いた。
この日は京都から2得点し、その上で勝ち点を一つでも上げることができれば、今後、相当な自信になるハズだった。
2−1とリードしてそれを守りきれなかったのはチーム力の差で致し方ないが、その後、2−2と同点にされた時点で少し落ち着いて欲しかった。
ゲームがバタついたら、中盤でボールを落ち着かせるべきだろう。下がり目の落合やトップ下の宮原の役割であるが、特に、後半13分に退いた宮原はプレーが軽い場面が見受けられた。

鳥栖の先発は、GK:シュナ潤、DF:奈良崎、井手口、八田、加藤、MF:ビジュ、落合、高橋、トップ下に宮原、FW:氏原、鈴木の4−3−1−2。

これまで結果を出している京都のFWバウリーニョ、アレモンを止める役割は、井手口と八田だが、J2最強2トップである彼らに前を向かせたら本当に怖いと思う。
中でも、左前方に流れながら強烈に蹴りこむバウリーニョのクロスは"一流"で、後は合わせるだけで良い。
流石にこのゲームで彼は、2得点を積み上げた。
長身のアレモンは、速くてデカい。ポストプレーも、身のこなしが柔らかくうまい。
彼らへのパスの供給源を絶つことが京都に決定的な仕事をさせない重要なポイントとなる。

チームは徐々に成長はしているが、後半の35分過ぎからまるでノーガードの打ち合いを演じてしまったのはいただけない。
■試合前
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【17番ユニがサポの番号】
試合前には、サガン鳥栖の生みの親でもある、元佐賀県サッカー協会理事長坂田先生(佐賀大教授)のご親族(長男)へ、井川社長より「17番ユニ」の贈呈式が行われた。
BGMには、赤い鳥の「翼を下さい」が流れていた。
17という数字は、1月7日が坂田先生のご命日にちなんでいるらしい。
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【目標突破】
サガンのホームである鳥栖スタジアムでは今季3試合目。自分は3試合とも生観戦。昨年と違うのは、観客が多いことだ。
自ずとグル裏サポの発声量も大きくなりゲーム毎に熱気を帯びてきてるような気がする。
今日も、J2のゲームでは仙台に続いて2番目に多い観客数だったようだ。

1.仙台14,867人、2.鳥栖6,583人、3.平塚4,982人、4.山形4,592人、5.草津2,561人

試合前、たまたま社長の井川氏が3階席の通路を歩いていたのを見かけた。
■育夫さん
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この日の育夫さんは冴えていた。打つ手はすべて当たった。
しかし鳥栖は、京都に田原が投入された時点でゲームを落ち着かせる必要があったが、育夫さんの強い気持ちが選手へ乗り移り「行け!行け!」になってしまった。
<追記>
サガンの公式HPによると、ゲーム後に、育夫さん、井川社長、強化部長が新たな選手の獲得も視野に入れて「今後のチーム強化」について話し合った、とのこと。
私的には、以下、優先順位順に。

1.現在は、前線にボールの収まりどころがないので、FWのポストプレイヤー
2.落合と組める切れ味鋭いボランチ
3.サイドプレーヤー。

■守備力の安定 
それにしても、試合を経るごとに鳥栖は成長している。上位争いに食い込む日も近いかもしれない。この日は別にしても、何より失点が少ない。

今季失点順位  1試合平均   昨季失点数     1試合平均 
1.福 岡 2 0.50    1.川 崎 38 0.86 
2.湘 南  4 0.80    1.大 宮 38 0.86
2.山 形  4 0.80    3.福 岡 41 0.93
4.京 都 6 1.20    4.甲 府 46 1.05
4.横 浜 6 1.20    5.横 浜 50 1.13
4.鳥 栖 6 1.20    6.山 形 51 1.16
                11.鳥 栖 66 1.50
今季の分は第5節まで。
昨季の戦跡を見ても、1試合平均失点が1を越えるとJ1昇格は難しいことが考えられる。

■京都の破壊力
京都の中払、星らの中盤と2人のブラジル人コンビの破壊力はJ2ではダントツで、J1の中位以上の力があるだろう。
しかし、守備力ではアビスパに軍配が上がる。長い戦いを考えると、守備力の安定なしには昇格争いはできないと私は思う。
この日の京都は両極端で、ツボにハマった時の破壊力は凄まじいが、守備陣に安定感は全く見られなかった。