週末はサッカー漬け

以下、この日観戦したゲーム(4試合)の雑感です。
■佐々木(山形)疾走す!
【J2第8節、鳥栖ー山形】:鳥栖スタジアム、主審:大西、観衆:5,104人
0−2(0−2、0−0)
スタジアム観戦したこの試合は、2人の右サイドプレーヤーを中心にゲームを見た。
売り出し中の鳥栖の長谷川と、好調山形の中心選手になろうとしている佐々木。

[長谷川豊喜]
長谷川は、ルーテル学院(熊本)出の新人で、右サイドハーフに第6節甲府から先発に抜擢され、これまで出場した2試合に連続得点している若武者。元々、FW登録の攻撃的な選手。

山形も同じく、右サイドハーフ佐々木勇人(22歳)。

[佐々木勇人]
佐々木も、大阪学院大からモンテデオ山形に今季入団した新人。
佐々木は開幕戦から連続先発し、4位山形の攻撃の起点になっている。これまで3得点してるだけでなく、自らの突破で攻撃の起点となり、3アシスト。


(*写真は佐々木)
これまで鳥栖スタジアムで開催されるホームゲームは全試合観戦してきたが、このゲームのサガン鳥栖は、連携も組織も今季最低のデキで、この佐々木の動きに翻弄されていた。
2失点とも佐々木から発動されたもので、鳥栖の守備陣は彼のケアが追いつかず楽々突破を許していた。
ゲーム中の佐々木は、ゴムマリのような肉体から、確か8本のクロスを上げたが、アーリークロスも、折り返しのクロスも、いずれも上質なクロスで、FW原のスピードに合う見事なものだった。
それにしても、今日のサガンは、悪いところばかりが出てしまった。

足元でばかりパスを貰おうとする10番宮原は(比較したら、セリエA選手に失礼になるが)まるで以前の俊輔を見てるようだったし、その動きのなさこそがアビスパでレギュラー奪えなかった要因であったはずだ。
簡単に(安易に)ハタくだけの宮原では、落合無きゲームでは中盤でボールの収まりどころがなくなる。
技術のある選手なので期待したいが、今後の彼の成長(チャレンジ)なしにはサガン鳥栖の浮上はないだろう。


(*写真:中央二人、鳥栖の10番は宮原(前アビスパ)、山形の10番は本橋(前鳥栖)、これまで二人とも新天地で見違えるような活躍)

「いい勉強をさせてもらったゲームでした。
仙台でいいゲームをやったということで錯覚をしたところがあったと思います。
前半45分は気持ちが乗っていない試合でした。
ハーフタイムの控え室では私の「収まらない気持ち」が出てしまいました。
後半は自分たちのゲームができたと思います。」
「だが、負けてしまったのは監督の責任ですので、私自身が反省して原点に帰りたいです。
残り36試合で今日の反省を生かしたいと思います。」(ゲーム後の育夫さん)


(*写真:バリバリの黒スーツで指示を出す育夫さん)
サガン公式の「試合後記」は中々良い。
山形の寄せの早さや鋭さもあったが、鳥栖の問題点は、落合の穴を埋め切れなかったこと。しばらくは我慢の時期が続くのかも知れない。
注目していた長谷川も、前半のわずかな時間だけは仕事できていたが、山形の鋭い出足についていけず後半には小石と交代してしまった。
それにしても、落合の「5試合出場停止」は痛い。
■中盤機能せず
【J2第8節札幌ー福岡】
1−1(0−1、1−0)
札幌まで遠征された皆様、お疲れさまでした。
このゲームはHD録画で見た。
J2で最小失点を誇るアビスパだが。

このチームの長所は、組織的な守備で相手チームにシュートを打たせないところにある。
実際、このゲームのアビスパも今季最低のデキと言って良い位で、今までのゲームと違い、札幌に雨アラレのシュートを打たせていた。原因は、アビスパの中盤が機能してなかった点。
他のチーム同士であれば、”こんな感じ”なゲームなのかも知れないが、アビスパらしさは影を潜めていた。
選手交代も、松田さんは何をしたいのかわからない、意思のハッキリしないもので、この監督の限界を見せていた。
後半のシュート1本は情けないし、こういう試合こそ、グラウシオはトップ下こそ生きるというもの。先に有光を引っ込めると、尚更札幌は守りやすくなる。
札幌の、アビスパ研究は優れて効果的に発揮されていたし、アビスパの選手たちも錯覚していたのか知れないが、札幌を舐めていたように思えた。よくぞドローで終わったものと思う。札幌のモチベーションは非常に高いままだった。
一年間の長丁場にはこんなゲームもあるのだろう。自分には札幌ドームのピッチが、博多の森の倍ほどに見えてしまったし、アビスパには、いつものワイドな展開も、組織性も、何ら見られなかった。

終了間際のロスタイムの札幌の同点ゴールで、選手たちの目が覚めるように期待したい。
京都戦まで、修正する時間はある。
■安定感十分の名古屋
【J1第7節、柏ー名古屋】:日立柏サッカー場
0−2(0−1、0−1)
ボンヤリのBS観戦なので、簡単に。
3連続完封した名古屋の守りは、高くてカタい。柏がどんなに放り込んでもハネ返されていた。3BKだけは意外だったが。

前半、本田、中谷の役割がハッキリしてない場面があったが、後半には修正され、運動量の多い名古屋は質の高いゲームをしていた。中でも目だっていたのは本田と中村。ネルシーニョは、いいチームに仕上げてきている。
それにしても、トップ下の本田は、新人とは思えないほど当たりにも強いし、持ってる技術を発揮できるだけの逞しさを身につけている。
これからの国内の若い世代のトップを走る人材であることは間違いない。オランダも、北京も、彼が中心であるだろう。
いつか成長した彼が、小野と組んで代表を引っ張って欲しいものである。

前半に怪我で退場した、(前年まで応援していた)増川が心配。
このゲームの後、両チームのサポが怪我人出すほど衝突したらしい。
勝利の後の、選手のゴル裏サポへの挨拶の様子はTVに写っていたので見ていたが。名古屋は、選手もサポもまるで優勝したみたいに大騒ぎはしていた。”勝ち慣れ”していないので仕方ないところだが。

確かにゲーム中から、柏のゴル裏サポ最前列は、画面に写るその多くが、”目が逝って”いた。自分は、昨年からの柏ゴル裏サポの温度の”高さ”を「好意的」に見ていたし、熱狂こそがサッカーの究極的醍醐味とはいえ、自分に酔ってるのか歯止めが効かないのか知らないが、人間性を失った見苦しさ(人を傷つけること)だけは許されない、とだけは言っておこう。

行動力の伴わない突き放した「冷静」さよりも、歪んだ「熱情」の方を支持はしたいところだが。
■再び降格圏
【プレミア第34節、ミドルスブラウェストブロミッチ
4−0(3−0、1−0)
残留争い中のウェストブロミッチは、中位でしっかり結果を出してるチームとのアウェーゲーム。一方的なゲーム展開に半分居眠りしながら見ていた。
試合になっていたのは前半10分まで。
稲本は後半から出場したが、0−3と、相手が完全に引き気味な中の出場。目だって活性化させる働きはできなかったが、元気に、”動く”稲本を見れたことだけで自分としては納得。誰が出場してもゲーム内容的にも仕方のない状況だろう。
稲本にとってはこれからが本番。調子を上げて欲しい。