「世界と戦うサッカー」

【J1第7節、鹿島ー磐田】:鹿島スタジアム、観衆:25,128人
2−1(2−0、0−1)
両チームサポのこのゲームへの期待が観衆の数に現れていたが、さて、ゲーム内容はどうだったのだろうか。
全体としては非常にモチベーションの高い、厳しいゲームだった。
結果は、現在の順位通りの両チームの力の差通りになったが、内容は終始主導権を握っていた磐田が勝っていた。

この日の鹿島は、前半飛ばし、後半息切れする、という、ゲームの入り方。
観衆も多くモチベーションも高いので、若い選手たちには「少し飛ばし過ぎ」があったかもしれない。
今までなら、前半は我慢し、後半に相手の疲れ具合に付け込んで1点取って逃げ切りというパターンが鹿島スタイルであった。
おそらく、今の鹿島に若い選手が多いのと、以前のような自信に溢れた年季と経験を積んだ選手たちばかりではないからなのだろう。今季、第2節のガンバ戦以外は前半の早い時間に得点しているところを見ると、それが今季の特徴なのかも知れない。

磐田は、連戦の疲れがあったのだろう。個人の技術と強さでボールを持つ時間が長かったが、最後の詰めが甘かったように思う。

しかし、以前の、短くパスを繋いで相手を翻弄する強い頃の磐田は全体としては影をひそめ、後半からは鹿島両サイドの裏を狙うタテポンサッカーに変化していたのには、時代の変化を感じることができた。
山本さんは、もっとそれを徹底したかったらしい。「世界と戦う」戦い方の追求という名の下、そういう意味では、山本さんのサッカーで世代交代は意外に早く進むのかも知れない。
心配半分、期待半分で見守って行きたい。

鹿島は、若手の成長とアレックスの加入で、”課題の前線”に厚みが出てきた。好調な野沢の代役は深井が務め、隆行もやがて戻ってくる。