M&A(企業買収)

■[ネットバブル]
AOLのスティーブン・ケース氏(46)は、ハワイ生まれ。P&G(プロクター&ギャンブル)社を経て83年にオンライン・ビデオゲーム会社に転じる。
その後、AOLを設立。
AOLは、90年代後半のネットバブルの波に乗り、巨大になった時価総額と高株価を背景に、次々と企業買収(M&A)。
00年1月、タイムワーナーと合併。新興のネット企業が巨大メディアを手中に。会長兼CEO(最高経営責任者)には、スティーブン・ケース氏が赴任。

タイムワーナーは、映画のワーナーブラザース、CNN、雑誌タイム、フォーチュンを擁する巨大メディア王国。

その後、ネットバブルの崩壊。02年には987億ドルという天文学的赤字。
そして、03年1月、スティーブン・ケース氏は会長から追放された。
■[企業文化]

バブルがハジけたこともあるが、金の力にもの言わせてトップに立った彼が、会長として相応しい人物であったかどうか。
従業員たちとの良好な関係を作れずにいた彼。何より、積み重ねてきた”企業文化”に、彼が相応しいかどうかが、従業員の反感と怒りの対象となり、会長追放の大きな要因になった。

M&Aでは最先端を行くアメリカでさえ、成功する確率は2割程度という。

さて、米国では「史上最悪」とも言われるこのM&A劇。最近の日本でも、似たような話になりそうだったような・・・。