負けないゲーム

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<写真:この日のアビスパは、福岡県西方沖地震で最も激しく被災した「玄界島」の子どもたちを招待。3月26日の地震後の湘南戦のゲームでも横断幕や募金活動でスグに反応したサポも、この日(5月14日)も、エールの横断幕。>

【J2第12節、福岡ー山形戦】
ゲームは、一方的にアビスパの流れ、終始、主導権を握り山形を圧倒した。
アビスパは、注目の山形の右サイドの佐々木にもほとんど仕事をさせなかった。勿論、彼らしい質の高いクロスは2,3本あったが、決定的なシーンは作れなかった。
山形は、8永井と、鳥栖から移籍した10本橋の、二人の中央が攻守の基点になろうとしていたが、チームとしての連動はままならず、アビスパの攻めに対し防戦一方であった。
TV画面では中々写らなかっただろうが、チッコも原も、そして佐々木も、山形の攻撃の起点は、蓋をされていた。
しかし、中々、ゴールを割れないアビスパ。攻め手の工夫の足りなさは相変わらずで、良いところを探すとすれば、センターバック岡山を中心とした守りの安定感か。またこの日のように、ビッシリ組織で守るアビスパから得点するのは、他チームも大変だろう。

この日、本来向いてるポジションと思われている右サイドに入ったグラウシオは、体調でも悪いのか、疲労がたまっているのか、最初から汗ビッショリで、動きも鈍く、試合開始3分で使えないのがわかるほどだった。得点の欲しい松田さんの、交代は的確だったが、グラウシオには時間が遅過ぎだと思った。この日のグラウシオなら、代わりはいくらでもいる。キレを取り戻す迄1,2試合休ませても良いと思う。
セットプレーでさえ得点の匂いがしなくなったアビスパ。全くプレッシャーのないゲーム前のシュート練習を見れば、素人にもこのチームの問題点は明らかだ。
2トップは、有光と太田が入ったが、この日も、前線でボールは収まらず、足元おぼつかない太田や、簡単にハタく有光が目立っていた。彼らも肉体的、精神的疲れがピークに見える。前線にはそろそろフレッシュな選手が欲しいところ。

前線で、スペースを作る動き。
2列目からの飛び出し。
コンパクトな前線からの守備による相手バイタルエリアでのパスカット。
DFサイドを抜け出し、えぐる工夫。
前線のワンツー、スルー。

いずれも、今のアビスパには無いものだ。
前にも何度も書いたように、今は我慢の時期だと思う。そう、「負けない戦い」のトレーニングの日々。周りが落ちていくのを待つというのも、辛抱強さの訓練にはなる。