WC出場決定試合

■再びヤナギ
バーレーン戦は、ヤナギはヤナギであった。
以前と違うのは、髪形だけでなく、セリエAのハードディフェンスに鍛えられ身体的頑強さが身についてきているところか。
それと、以前にも増して場面場面ではバーレーンの守備陣が全く対応できないほどの、動きの質の向上も見られた。
決定力という課題は抱えたままだが、ヒデも絶賛していたように、随所随所に光るプレーが見られた。
下がって受ける。
ハタく。
開く。
フリーで走る。
一つひとつのプレーに、全てに意味を持たせた動きをしていた。
また、バーレーンとの戦いで、前線にスペースを作ることに関してはチームの武器として生かされていた。
できれば、最近磨きこんだドリブル突破を見たいところだったが。自身、久しぶりの先発。1トップの難しさをこなすことに精一杯であったのだろう。
北朝鮮では、ヤナギオタとしては、累積欠場の三都主の代わりに左サイドに入り、前半20分だけでも伸び伸びとプレーさせ、前線に大黒を添え、二人を左側から噛み合わせてみたいところもあるが。

・FWは、得点してナンボ
・85分寝てていいから5分だけでゲームを決定づける
・ゴールのことしか考えていない

日本には、ロナウドはいないし、生まれない。
弱小国相手ならまだしも、世界の強豪と渡り合うのに、脳みそだけがロナウドになったつもりでも、ゲームは作れない。そして、チームとしての結果は出せない。
さて、2年間リーグ戦ノーゴールの彼が、何故、セリエAのクラブで3年契約できたか。
ヤナギの課題だけを感情的に責め上げるニワカな連中には、及びもつかないことだろう。
そして、どこの国の代表も(強豪クラブも)決定力という課題に立ち向かっている、がしかし、要はチームとして「決定機」をどれだけ数多く作るかなのだ。決定機なしには得点へは至らない。

大一番となったバーレーン戦では、ヒデも、俊輔も、オガサも、ヤナギの長所や特徴を存分に生かそうとしていた。
戦術なきチームに、前線は、ヒデと俊輔、ヤナギとオガサの技術と判断力でゲームを推進していたし、ヒデがピッチ上の監督であっても、波長の合う、読み合うことのできる相手がいないとゲームは作れないものだ。

■浩二の左先発
北朝鮮戦では、浩二が左に入る模様。
私は、稲本と組むならボランチの方がベターだと思うが。ジーコは、福西、稲本を中盤の底に置くつもりのようだ。
浩二の左なら、前線右に抜け出したヤナギに向かってフィードが入る。中央オガサのフォローとで好機が生まれそうな気もする。3人とも互いの特徴は知り尽くしている。
球出しの早い浩二は、意外に三都主とは違った流れを作り出すかも知れない。
■2列目の攻撃参加
ヤナギの動きは、他のFW陣と違って2列目を生かすこと多く、稲本、福西の突破でビッグチャンスを過去にも作っている。中へ中へと入りたがる浩二を加えると、2列目からの飛び出しは大きな武器となろう。
■中盤の連携
北朝鮮は、3位狙いの戦いしか残っていないが、このゲームには監督がベンチに入れない。彼らのモチベーションが埼玉よりも低くなることを願いたいが、いずれにしても、守備的にゲームを運び、速攻カウンター狙いであることは間違いない。
埼玉での速攻失点を忘れてはいけない。オガサ、福西、稲本、加地、浩二の中盤5人で、北朝鮮のチャンスの芽を完璧に摘み取ることを期待したい。
■後半20分
ゲームが拮抗した場合には、後半から福西の1ボランチに、トップ下のオガサの横に本山を入れ、鹿島(準)4人組で、ワンタッチ、スルーを織り交ぜたスピード溢れる攻撃態勢に入る手もある。
終盤もつれたら、ジーコは、大黒を投入するだろうが、前線を活性化できる大黒については、できれば早目に投入してもらいたいものだ。
この試合は、3大会連続出場を決めるゲーム。決定的な仕事は、大黒にこそ相応しい。
しかし、これまでのジーコジャパン同様、スンナリとはいかず苦しい戦いが待っているはず。できれば前半早々に得点し、すぐさま追加点を奪い北朝鮮チームの息の根を止めて欲しいところだが。