アビスパ、柱谷に沈む

サッカーは、内容のある良いサッカーをしているから、必ずしも勝てるとは限らない。
「1'stレグで対戦した相手チームのほとんどが、『今季、一番強いのはアビスパ』と、言われている」と、京都側のアナウンサーが何度も言っていた。京都側に言われても、なんとも、少しも嬉しくないフレーズなのだが。
それでも、首位には立てていないし、勝てるとは限らない。
J2、1,2位対決。
追撃体制整いはじめたアビスパ的には、”大一番”と見て臨んだゲーム。

京都は本当に勝負強い。
そして、京都は前線の「個の強さ」だけで勝ち点を積み重ねてきた。
このゲームのアビスパは、ゲームの主導権を握り、激しいチェックとボール奪取。併せて、ことごとくセカンドボールを拾い、組織的な守備でしぶとく守っていた。
前線の京都に、高さも決して負けてはいなかった。
中でも、前半のアビスパは、今季最高の戦いをした仙台戦の前半位に、相手を寄せ付けていなかった。
策を労さず組織的に、いつものアビスパらしく戦っていた。
しかし、京都は、後半、セットプレー3発(内1発はPK、もう1発はオウンゴール)でアビスパを沈めてしまった。
大きなストレスの残るゲームを、柱谷兄にやられてしまった。

雨の中、スタンドで必死の声で後押しするサポも、TVの前で見てる方も、なんとも言えない敗北感を味わうゲームだった。おそらく、この日の選手は、精神的に激しい疲労感が残っただろう。
屈辱や屈折の深さ、敗北感の大きさこそが選手たちの精神を鍛え上げ、個の能力を大きく広げ、チームの根元を強くする。のだと思いたいが。
早く疲れを取り、切り替えることだ。
ようやく戦力は整った。怪我人も戻り控えも厚くなってきた。今季最高ともいえる状態になった。林の復帰で、大事な決定機も様々に作れるようになってきた。

4年を経過し、チーム的には、J1への道筋はできてきたと私は思う。

彼がハーフタイムで何を指示したのかは知らないが、敗戦ムードであったゲームに、結果だけを残そうとした柱谷兄は、悔しくも「勝負強い」指揮官である。

冷静に敗因を分析する必要があるだろうが、私は、未だ、このゲーム内容を、詳細に振り返り、まとめようという気力がおこらない。
アビスパの新星が二人も先発出場した早朝のワールドユースについては、時間ある時に。