「ジーコの物指しヒデの尺度」その4.
東アジア選手権に出場する日本代表メンバーが発表された。
時期的に海外組が不参加となることで、国内組だけでメンバーを選出。
今回は、これまでにない位に”斬新なメンバー”が複数選出されたことが目立つ。
中でも、注目は、初キャップとなるFW田中達也(22)、MF今野泰幸(22)、MF村井慎二(25)の3選手であろう。
3人とも十分に機能するだろうし、新たなエポック(新次元)を与えてくれるだろう選手である。
是非ともゲームで使ってみて欲しいが、これで「新たな潮流ができるかどうか」を検討するのは極めて早計だと思う。
ジーコは、これまでほぼ固定的なメンバー選出を行ってきた。
言い換えると限定された代表選手たちのcap数を増やすことに専念してきた、とも言える。チームで結果を出してるかどうかよりも、ジーコの物指しは、実は「cap数」である。
いつでも勝ちに拘るジーコである。東アジア選手権が、余程なことがない限り新たな選手を試す場にならないことは自明の理である。また、先発メンバーは、いつでもくつがえさない。
現代表のcap数を調べてみた。
歴代順位 cap数 02WC 04A 05C 4.川口能活(磐田) 76 ☆ ★ ★ 11.中田英寿(フィオレン)67 ☆ ★ 23.稲本潤一(Wブロム) 57 ☆ ★ 25.三都主アレサン(浦和)56 ☆ ★ ★ 25.宮本恒靖(G大阪) 56 ☆ ★ ★ 30.中村俊輔(レッジーナ)53 ★ ★ 30.鈴木隆行(鹿島) 53 ☆ ★ ★ 34.福西崇史(磐田) 51 ☆ ★ ★ 34.中田浩二(マルセイユ)51 ☆ ★ ★ 36.柳沢敦 (メッシーナ)50 ☆ ★ 37.楢崎正剛(名古屋) 48 ☆ ★ ★ 41.小野伸二(フェイエノ)46 ☆ 55.小笠原満男(鹿島) 39 ☆ ★ ★ 61.中澤佑二(横浜) 36 ★ 63.高原直泰(ハンブルガ)35 68.遠藤保仁(G大阪) 34 ★ ★ 70.加地亮 (FC東京) 32 ★ ★
04A:アジア杯、05C:コンフェデ杯
かって、キャップ数50を超える選手たちが10人もいる代表チームの時代はなかったであろう。
ちなみに歴代でのベスト3は、井原氏が123capのダントツトップ。2位が横浜FCに移籍したカズで91、3位が都並氏が80。GK川口能活の歴代4位は大したもの。
参考までに、名波(磐田)が68、森島(C大阪)が65、中山(磐田)が53である。
怪我に苦しむ久保竜彦は26、大黒は9capでしかない。
今回選ばれなかったが、代表11得点の鈴木隆行はFWとしてはcap数歴代ベスト5に入る。そういう意味では隆行は歴史に残る選手である。
ロイターは大きく取り扱ったそうだが、ジーコは彼の帰る場所(椅子)はいつでも空けてあるだろう。
東日本選手権がどのような戦いをするのか注目したいが。
ジーコは代表のゲームでは新たなメンバーを極く稀にしか試さないし、恣意的には使わない。
そのような期間がこれほど長く続く以上は、06年ドイツWC以降、極めて少ないcap数のメンバーが趨勢になるに違いない。チームの主力にナイジェリア組が残るとしても。