アジア最終予選を終えて

アジア最終予選終戦:日本ーイラン】:横浜国際
アジア最終予選。TV観戦の際はうるさいだけの民放(TV朝日)は見ず、この日もBSハイビジョンで。
イラン戦は、東アジア選手権の初戦・北朝鮮戦に無残にも敗れたメンバーが出場。
いわゆる「主力組」。
この表現は、実は余りよろしくない。チームに海外組が入れば瞬間サブに転じるメンバーがいるのだから。
この日(17日)は、7月31日の時のような運動量豊富な北朝鮮を相手にした時とは違い、代表はホームの戦い方をした。
おまけに2戦連続先発はずされた”効用”だと思うが、最初から先発陣のモチベーションが高かった。

特に、動き出しの第一歩のスピードが違っていた。
北朝鮮戦にセカンドギアで運転していたような三都主などは、最初から"トップギア”でアクセル吹かしていた。おそらくあのゲームとは、ダッシュ速度は時速で30キロは違っていたはずだ。
彼の見事なインターセプトには思わず声をあげてしまった。
相手がやや前がかりに来たこともあるが、チームには前半から「行こう!」という意思を感じたし、この日の3バックのラインも少し高いように感じた。
一部で時おり見せるパスミスや気の抜けたプレーは若干織り交ぜていたのが気にはなったのだが。
後半疲れてからは相手にボールを持たれてはいたが、全体としては緩急のつけどころも間違いなく、イランに攻め込まれて失点しそうになったのは、中澤が与えた仕方のないPK以外には一度くらいであった。

主力抜きメンバーのイラン相手に、内容もまずまずで、何はさておき最終戦を勝利で飾れて良かったと思う。
■その他のアジア勢

さて、お隣の韓国は17日のサウジ戦に敗れグループ2位が確定した。
WC本戦出場は決定したものの、直近の東アジア選手権では最下位。
アジア最終予選の最終戦、ホームでのサウジに0−1で敗れた韓国代表。サッカー協会(会長)の判断次第だが、結果主義の国内世論の支持を全く受けていないボンフレール監督はおそらく更迭されることだろう。
彼は、若い世代を代表チームに取り入れ丁寧に試しているように思うが。今後の推移は協会会長の腹ひとつ。
それにしても、1組首位のサウジアラビアは、最終予選で韓国に2連勝。しかも全6試合で失点がたったの1、無敗のまま本番を迎えることになった。
またアジア最終予選の5位決定戦は、バーレーンウズベキスタンが9月3日、7日に対戦。その勝者が北中米カリブ4位のチームと11月に対戦することになっている。

■06年に誰が選ばれるのか?[MF編]
これで、最終予選が終了。日本代表のグループトップでの通過が決定した。
次の南アフリカWCのアジア予選は、おそらくあと3年を待たないといけない。
さて、04年2月に開始したアジア一次予選は、オマーン戦から始まった。その間の1年6ヶ月、ジーコが舵を取る船は、決して安定した航路ではなかったし、順調といえるものではなかった。

自分は(個人的にはジーコ好きの一人ではあるが)当初から、代表監督にはもっと違うタイプの人が良いと思っていたし。日本サッカー界の現状では、できれば代表監督として実績のある、その仕事を十分に熟知し訓練された人物の方がいいと思ってた。(今でも、だが)
しかし、実は、ジーコが舵を握るこの航路に対し、別の意味で興味が湧いてきた。
そのことは「ジーコの物指し、ヒデの尺度」というタイトルで、別に述べようとしているのでここでは省きたい。

決して順調ではなかったが、FIFAが取り決めしたゆるゆるの枠と選手たちの頑張りもあり3大会連続の出場を可能にすることができた。
さて、予選を世界で一番に早く通過できたこともあり、直前の東アジア選手権で、待望していた新鮮なメンバーを試す時間を持てた。
(このことは、色んな意味で後々に好影響を与えることになると自分は思う)

『日本を代表し、目いっぱいいい仕事ができる23人を、非情に、クールに、自分をニュートラルな立場に置いて選ぶ。』(試合後の記者会見)

とは言っているが。ジーコに限って、本番のメンバー選考にはおそらく新鮮な驚きはないと思う。
少し遊び的(ネタ的)要素で考えてみたい。

さて、サービス業の顧客管理では「FSP分析」というものがある。
1.たくさん購入してもらう客、2.何度も頻繁にきてもらう客、3.最近きた客、をある一定の法則で数値で表し「優良顧客」の分析をするのであるが。
顧客分析を以下のように言い換えてみてみたい。
1.大きなゲームや大事なゲームで機能し結果を出したかどうか。
2.数多く代表に呼ばれているかどうか。
3.最近呼ばれたかどうか。
を重要度順に1.=50%、2.=30%、3.20%という具合にその係数でかけてみる。

そうすると、以下のような序列になると思う。(なるのか?)

[ジーコの現在の序列予想「MF編」]
Aグループ別格3人(ヒデ、俊輔、小野)
Bグループ3人(三都主、加地、福西)
Cグループ4人(小笠原、遠藤、稲本、浩二)
Dグループ8人(藤田、西、三浦淳、本山、
        駒野、村井、今野、阿部)
Eグループ3人(石川、山田卓、奥)
グループ入り待ち1名(松井)

本来はDFだが本戦は3バック主体とみて三都主、加地を中盤扱いとする。
自分としては、WC本番はDFが6名、MF10名、FW4名、GK2名のチーム編成になると予想する。
となれば上記の22名のうちの10名の選出。とするとMFが最も激戦地区となる。
(もちろん、松井はどこかで試すことだろう。)
また、CグループとDグループには大きな垣根はなく、昨日使われた今野や阿部らがひとつ上に行けるかどうかが今後の焦点であるだろう。
いずれにしても、A、Bは怪我でもしない限りメンバー入りするだろう。

ちなみに、02年のメンバーは、ヒデ、小野、稲本、戸田、明神、モリシ、福西、三都主、オガサ、市川の10名であった。