ビッグクラブとの対戦

セリエAには、圧倒的な歴史と伝統を誇るACミランユベントスのようなクラブがある。
クラブはその地域の人々の誇りであり、人々はたまに選手たちに激しいブーイングもするが、愛するチームを非常に大切にしている。
いずれも欧州においてはチャンピオンズリーグに出場する常連チームである。

またそのようなリーグを代表するビッグクラブは、いつでもその国のサッカー界の規範であるし、そして目標となっている。

人々の暮らしの中にサッカーがあり、サッカーを中心とした街はクラブが地域のコミューンの核になっており、それがまた地域にサッカー文化が深く根付く基ともなっている。
長い年月をかけて熟成されたサッカーコミューンは、そのリーグに必ずビッグクラブを作り、圧倒的なサポーターの力やクラブの経営努力でそれらは存続維持される。

またそれを取り囲むように中位クラブや中小のクラブがある。
プレミアも、ブンデスリーグも、リーガも同様である。
昨今は、国内においてもそういう状況に段々となりつつある。

客観的にみると、国内においてのビッグクラブは横浜Fマリノス、そして浦和レッズであろうか。

そして数々の栄冠に輝き、代表選手を数多く輩出するような、強豪クラブと言われる魅力的なチームが鹿島アントラーズであり、そしてジュビロ磐田であり、現在のガンバ大阪であろうか。かっては東京ヴェルディもそういう位置にあったように思うが。

それらは、多少の格差はあるもののいずれも後援会組織がしっかりしており、膨大な数の年間シーズンシートが確保され、ファンクラブ加盟の人数も固定的に多い。

Jの中小クラブのサポから見れば、国内のクラブはおおよそそのような成り立ちになっているように思う。
現在のアビスパ福岡は、あくまでも地方の中小クラブである。決して多大な資金力や優秀な現役代表選手を抱えているようなクラブではない。
いわんや強い個を有したチームではないし、アビスパに限らず中小のクラブは総じて魅力的な組織サッカーをしている。

どこのクラブにも個々に違ったアイデンティティがあるが、このところのアビスパサポーターは若い選手の成長を見守り続け、今ではクラブ自体が育成型であるという楽しみを共有している。
ホームでの場面では激しいブーイングで迎えたとしても移籍した若い選手には総じて優しい目を向けているようにも思う。(多少の例外を除いて・笑)

今季、J屈指の若さを誇るアビスパ福岡は、5年ぶりにJ1に復帰し上に挙げたようなチームと戦えるようなチャンスをもらった。
まだ結果は出ていないが、できれば毎年、上記の5チームのような魅力的で優れたチームと戦い続けていきたいものだと思う。

リーグ戦と並ぶ重要なカップ戦、ナビスコカップが開幕した。
残念ながらアビスパの初戦はライブ放送がされなかった。本日深夜に放送されるようだ。
怪我人続出の背景はあるが、今季初めてのビッグクラブとの対戦をとても楽しみにしている。