代表監督

[ジーコ後について]その1.
サッカーに関心が強い人ほど、また中でも代表チームに心情的に食い込んで生活している方ほど、気が気ではない問題ではあるのだろうが。
これから「代表監督」について方々で語られる時期がいよいよやってきた。
有能で得がたい指導者(指揮官)にはニーズが早く動くのが世の常であるが、ドイツ本戦に出場しないロシアが早くも動きを見せた。

早朝にBSで写されていた海外放送局のニュース配信を見ていた。
シアサッカー協会は、昨日(14日)ヒディングをロシア国内の会見場に召集し契約調印とともに記者会見を開いた。
ロシアは早くも次の欧州選手権に向けて動き出した。
会見によると8月の親善試合(クロアチア戦)から指揮を執るらしい。
ロマン・アブラモビッチ氏(チェルシーのオーナー)も国の代表強化の為に動いていると。鬼に金棒である。

ロシアは欧州予選のグループリーグ(グループ3で3位)で敗退し、06ドイツ大会には出場叶わず、04欧州選手権もグループリーグ最下位で決勝トーナメントへ出場できず、ここ数年はWC9大会出場というかっての輝きは失せている。
ヒディングはオランダと韓国をWCでベスト4に導き、クラブチームでもPSVを常勝チームにし、今季も2季連続で国内リーグ戦を制した。
また急遽指揮をとったオーストラリア代表をプレーオフの末ウルグアイを敗りドイツ大会へ出場させ、同じグループFの初戦、日本代表戦を戦う。

実績的には名匠と言っても良い指揮官である。
■人事は一気呵成に、そして手際よく
日本サッカー協会は、この国のサッカー界の上部構造である。
数多くの世代を抱えた代表チームの後方支援だけでなく、この国のサッカーのあるべき道筋やビジョンを指し示すべく活動している。
彼らがキチンと仕事をするためには、ドイツ大会の結果だけでなくこの4年間のチームの有りようやチーム戦略などを良く吟味し今後に向けた新たな中長期ビジョンを打ち出した上で、監督問題に取り掛かるべきであろう。
いずれにしても我々は謙虚にそして大胆に、まだまだサッカー先進国から学ばなければならないのは確かである。
■4年間のストレス
一般の中小企業では抱えることさえ無理なほどの「膨大な資金」を有する日本サッカー協会は、最近は川淵氏の私物化団体とも見える。
彼が資金を横領をしているとか勝手に自分のものにして使っているとかではなく、この国のサッカーの行く末を一協会長にしか過ぎない彼に委ね過ぎるということだ。
彼のこれまでの功績もビジョンも認めるが、この4年間の幾多のストレスを作った張本人は、誰あろう川淵氏である。
できれば彼はAFCの仕事に重きを置いてもらい、「学閥」や「人脈」に偏った人選も廃止し、協会は民主的で合理的な考えのもと、実務肌の親分がついて欲しいと思う。できれば社会性を備えた人物を。
彼の”舌先三寸”で大事な国内サッカーの行く先を占うのは、もうご免蒙りたいものだ。