チームの魂・ホベルト

ホベルトがチームに加入した時。
ホベルトのチームなるといいな、とひとり思った。

ホベルトは、技術が特別に優れているわけでもないし、身体能力が群を抜いているわけでもない。
ミドルが炸裂するわけでもないし、展開力が長けているわけでもない。

ホベルトは、
実は、他の選手にはないゲームを”読む”力が備わっていて。

そして何より戦う”気持ち”や”サッカーセンス”を優れて持っていて。
時たま疲れでミスはしても、彼にはいつでも強い意志と責任感があった。

この時代にあって、
自分さえ目立てば自分さえヒーローになればいいというものもなかった。
彼はチームとともにある選手である。



ホベルトが加入した時に、
ホベルトのチームになればいいな、と思った。

アビスパの守備組織はホベルトがあって熟成された。
少し時間がかかったけど。
ホベルトのチームになって、ようやく上のステージに上がることができた。

今季、キャプテンに任命されたホベルトはゲーム後に泣いていた。

試合終了のホイッスルと同時に、
ホベルトは、この試合の事実上のMVPであるGK水谷の元へかけより、
水谷を称え、ふたりで抱き合い喜びあっていた。


ピッチの上で、ホベルトはこぼれる涙を拭いていたが。
ホベルトのキャプテン就任後、初勝利の日でもあった。

ホベルトROBERTO JULIO DE FIGUEIREDO27歳。