守備組織の緩み加減

確か。あれは4月29日の鹿島スタジアムだったと思う。
前週にホームでアルビレックス新潟に快勝した後のアウェーの戦い。
それまでの強固な守備組織に緩みが見られた。百戦錬磨の大人なチームに、ホンの僅かな組織の緩みにつけこまれ、勝つべきゲームを落としてしまった。

もちろん、真っ先に重要なのは得点力であり、決定力を有するFWの補強であったはずだ。監督はむろん、フロントもそのことは百も承知であった。減資という大ナタを振るおうという社長勇退を前に、フロントは資金と選手補強のバランスシートの狭間で大事な仕事ができずにいた。
おそらくそうなのだろう。
しかし、仕事ができない責任は松田さんでなく、長谷川氏本人であろう。

■北斗の見過ごせぬミス
自分も目の当たりにした4月29日の鹿島戦における将来の代表選手と目される中村北斗ディシプリンの欠け方。
それは成長途上の北斗が時たま見せるものとは違っていた。
その後、翌週の雨の広島。あの苦々しいサンフレッチェ広島戦で北斗は途中交代。ナビスコはベンチに座った。
■水谷の大きなミス
5月3日、川崎戦における信じられないような水谷とアレックスの連携不味さでの大失態。それまで見事な仕事をしていた水谷であったが。あれ以降、彼はベンチにさえ座っていない。
フロントは、これまで積み上げてきた他チームもうらやむような守備組織の、その緩み具合を見たのであろうか。果たして。
■問題は、どこに?
しかし、結果が出ない日々。大きな宿題は積み残してきたまま、組織でこそ活きる選手たちが疲弊していたのも確かである。
チームへの愛が強いのか弱いのか、あるのか、ないのか。そして何が根本原因かのその見極めができぬクラブ幹部なら、この際、一緒に辞職すべきであろう。
アビスパ福岡というチームは幹部の為にはないし、いわんやフロントや監督の為にあるのでもない。
サポーターやファンのものである。
サポーターが納得する事態処理ができぬなら、クラブ幹部も逝ってよし。
歴史を繰り返さぬためにも。