「受け身に立つ」その2.

ようやく身辺が落ち着きました。
この間、用事の合い間に各グループのゲームは追っかけてていましたが。仕事以外にPC開ける時間も全くありませんでした。
オーストラリア戦について少しマトメようと思っていましたが。早いものでクロアチア戦の当日となってしまいました。
それにしてもこの大会、サッカー大国は思いの外順調に勝ち点を積み重ねています。
大会前のオフの期間、開催場所、気候など様々なファクターが欧州各国リーグを終えた主力選手たちに優位に(順調に)働いているのでしょう。
このまま98年のクロアチアや02年の韓国やセネガルのようなサプライズのないまま大会は推移するのでしょうか。
大会はもうすでに10日目を迎えています。
ヒディングの分断作戦
WCは、現地時間の午後3時と午後6時、午後9時からがゲーム開始。午後3時の現地の気温は多少の上下はあるもののおおよそ30度を超えているようです。
オーストラリア戦の当日、ピッチの上は39度であったとも聞いています。さてそのような状況環境も含めて、どのような戦いの準備をしどのようにゲーム戦略を練ったのでしょうか。

ヒディングが、あらゆる状況を想定し克明に準備したことだけは間違いありません。
オーストラリアは、日本以上にこの試合に賭けていました。次の試合が結果を求められられないブラジル戦ですし、違った意味で一息入れることを考えると、多少の怪我や疲弊も次の次のクロアチア戦までの期間(10日間もある!)を計算に入れて日本と戦っているようにも思えました。

日本の特徴は中盤のパス回しにある訳ですが、オーストラリア選手のヒデと俊輔の二人への無謀とも思えるようなチャージは大変厳しいものがありました。中でもトップ下の俊輔への削り方は尋常ではありませんでした。
ヒディングが日本代表のDF陣と前線の分断を決意し、それをゲーム開始から特に前半はそれに傾注したように見えました。本来のパス回しや中盤の繋がりを分断さえすればそれほど多くのチャンスは作れないからです。
■ゾーンの下げ過ぎ=受け身に立つ
最後の決定力を除けばFWの二人は良く動いていたと思います。ただ全体の間延びによってFW陣が相当に走らされ、ボールを持ってからシュートするまでの時間とエネルギー消費は相当なものがありました。
ペナルティエリア付近で俊輔と高原、ヤナギの絡みが多く作れたら多くのゴールシーンが生まれたかも知れません。
そしてヒディングは、彼の分断作戦によって、同時にDF陣をべったり下げてしまおうとしていたように思いました。いずれにしてもDF陣は終始下がりすぎであったように思います。
これが宮本の意思によるのかどうかはわかりませんが、おそらくヒディング分断作戦が一番の大きな要因であるように思います。

チームとしてDF陣の押し上げと、FW陣の前線からの守備プレスによってコンパクトに立つことが勝利の鍵であったと思いますが、この試合はその鍵さえ一度も開けることができませんでした。
むしろ後半は、暑さと疲労ヒディング分断戦略によって日本チームが受け身に立ってしまったことが敗因だと思います。

ジーコのひらめき
個人的には、選手交代については残り2枠を、後半20分過ぎからヤナギでなく高原の代わりに巻、状況判断とポジショニングに問題のあった三都主の代わりに中田浩二を入れてバランスを立て直せばと思いました。
しかし、中盤でボールを回せていない状況を見て、ジーコはそこに小野を入れ状況打開をしようとしたようですが。こういう場合はキープ力がありハードチャージに強いオガサの方が向いているようにも思いました。
削られまくりで疲弊しきった俊輔に代えてオガサであっても良かったのかも知れませんが、やはり一番に取るべき手は前線からの猛プレスができ疲れを知らぬFW巻であったでしょう。
この点では選手目線でなくしっかりした監督目線のできるプロの指揮官であったらと思いました。
それにしても途中で(倒れて)水を飲む時間も取れないほどの初戦の精神的余裕のなさ、ヒディングにボディブローのように前半から打たれ続けた状況を見ると、このゲームが全ての面で自分たちのリズムを作れず受け身に立った試合であったように思います。
■遠藤と浩二と巻を入れろ
他国のゲームを見るたびにミドルシュートの多さと勝ち点を取ったチームの攻守のリズムの良さを感じます。

ミドルシュートといえば遠藤。
攻守のバランスに優れているのが浩二。
多少の暑さでも走れる巻。

今後、カード次第でメンバーを変える状況が生まれた時、個人的にはこの3人を使うことが勝利への近道であるように思います。