気高い精神性

なんともイタリア代表の開催国ドイツを押さえ込んだ強靭な精神力には恐れ入る。
どちらも致命的なミスを許さない、正確で恐ろしく頑丈なゲーム運びをしていたが。
両チームともアスリートとしての高い能力とここまで昇華させたコンディションつくりは素晴らしいと思った。
チームとしてもろさや危うさというものがない。
これこそサッカー強国の姿。
両国とも地方の下部組織も含めた巨大なピラミッドに高めるリーグ全体をとりまとめる伝統とその蓄積力がいつも生きてるのだろう。

自分は、悪い意味でなくムッソリーニヒットラーを強固に組織化したかっての時代や、ゲルマン民族の誇りやローマ帝国の栄光を思い浮かべながらこの準決勝のゲームを見ていた。

このゲームは(良いとか悪いとか歴史上の断罪のことは他に置き)そういった数々の歴史の表舞台を歩んできた民族としての彼らの精神性の高さと気高さとを見る思いであった。
また古代ローマ銅像から抜け出てきたようなガットゥーゾを始めとしてイタリア戦士の崩れを知らぬひた向きさに、心打たれたゲームでもあった。

準決勝は残り1試合。
フランスとポルトガルも壮絶な戦いになるに違いない。
この大会も残り3試合となった。