「新しい舞台を用意する前に」その5.

仕事柄、数多くの事業の失敗例を見る機会が多い。中には会社更生法の申請をした企業もあればこれまで財政支援を受けながらなんとか立ち直った企業もある。
個人的にも中に乗り込んで企業再生の手助けをしたことも何度かあるが、駄目になっている企業や組織は、実は共通しているものだ。
どうやらそれは以下の3つが欠けている場合がほとんどであるようだ。
■A.敗因分析力
経験上言えることは、伸びる企業と落ちていく会社の分岐点は、「敗因分析力」の差であるといってよい。
また敗因分析力を持てる組織は回復能力が早い。これは同族企業やチェック機能を持ってない企業に多いのだが、自らを省みることなく次の展開へと突き進む企業は実は長続きしないものだ。
■B.主要敗因(4つ)を取り除く
どこの企業も時代の変化やニーズの変化を読み取りながらP(計画)D(展開)C(チェック・評価)A(改善・対策)を継続していくしかない。
順風満帆な企業など存在しない。
そして敗れるには、敗れる明らかな理由があるのだ。
簡単にまとめると敗因は4つ。企業トップや幹部の、
1.自惚れ(うぬぼれ):他人の忠告に耳を貸さない
2.驕り(おごり):自信が慢心に変わる時
3.甘え:その逆は組織の役割を機能させ、「功には禄を、能ある者には地位を」
4.マンネリ:組織としてのモチベーションが上がらない
である。
いずれも敗因の基は、トップや幹部たちにしかない。
■C.共通認識不在
併せて、現場を統括する部署と会社幹部や企業のトップの「問題意識が同じ」でなければ再生は不可能だ。
各人が持ってる能力を発揮するだけでなく組織を活用するべく意識を共有することで企業は大きな力となる。

以上は、実は日本サッカー協会(と代表チーム)のことを思いながら書いているのだが。
これほど絶望的な気持ちになるのは何故だろうか。