オシムディシプリン

[AFCアジア杯予選第二戦、日本代表ーイエメン代表]:新潟スタジアム
メンバー的に見れば、アレックス、加地、坪井、遠藤、駒野、川口といった”古い井戸”の選手たちは数多くいても実際の役割やチーム戦術がまるで違うので全くの新チームとして見る事ができます。
フン詰まりの前半と若干の展開力が見えた後半の違いは、前線がワイドに展開したこと。それによってスペースが生まれるようになったこと、またそれに合わせて中盤から広く外に展開できるようになったことだと思います。もちろんそれを可能にした羽生の加入もありますが。
そのことはおそらくオシムさんがハーフタイムに怒鳴りながら指示したであろうことと思います。
後ろの方は啓太のケアや彼の見事なまでのポジショニングと動き、それにJの同じチームの選手たちが多いことで安定感のある守備はできていました。相手のシュートチャンスも極端に少なく、GK川口がボールを持つ回数も極端に少ないものでした。
むしろ全員が引いて閉じこもった相手に対して、DFから前線ワイドへの高速フィードやバイタルエリアに向かってのワンツー、中でも前線でスペースメイクできる選手が少ないことがこのチームの欠点であると思います。また後半田中達也が良い動きをしていましたが、ドリブルで仕掛けるにしてもある程度の隙間スペースは必要かと。
このことは前にも少し書きましたがヤナギや中田浩二、松井などが入ればその点での課題は解決することだと思います。
オシムさんは、これまでの4年間で選ばれるべくして選ばれていない選手たちを意識して招集していますし、それも已む無いことだと思いますが。
それにしても好ゲームであれば話しは別ですが、そうでない場合はJ視点で見ると浦和と千葉の選手ばかりがピッチ上に躍動し、その点では大いに不満が残るところではあります。
今のようなアレックスを中心としたチームも悪くはないとは思いますが。
ジーコジャパンオシムジャパンの最大の違いは選手たちの背番号にあるのではなく戦術的なものを背景にした「ディシプリン」のある無しの差だと思います。
現在Jのチームもディシプリンを放棄したチームが大いに苦戦しているところ。