アドルフ・サイラー氏に聞く

サポミの後、サイラーさんとのオフ会。

アドルフ・サイラー氏:福岡滞在22年。南区長丘でパン、オーストリア菓子店「Sailer」を営んでいる。サイラー家で代々受け継がれているオーストリアの老舗は2店舗。
自分の所から歩いて5分程のところなので普段から良く利用させて頂いている。パンも焼き菓子も珈琲も旨い。休日の朝はサイラーさんの珈琲。
自分の博多の森の年間シートもサイラーさんのスグそばという縁もあってオフ会に声かけた。

サイラーさんは、アビスパ福岡のスポンサー企業のひとつでもある。今回、危機感を感じられてサポーターズミーティングにも参加された。
以下、録音した訳ではないので私の記憶の隅に残っているサイラーさんの言葉です。
うろ覚えのところもあるので間違ってるかも知れません。(以下の文章の責任は「大池だより」にあります。)
■クラブの成り立ち

ミュンヘンバイエルン州人口129万人)には、2つのビッグクラブ(1860ミュンヘンバイエルン・ミュンヘン)がある。福岡と同じ位の街でしかないのにブンデスリーガのビッグクラブが2つもあるんだよ!!』
『福岡にはプロ野球がある。しかしみんながプロ野球に関心がある訳ではない。近隣の都市を入れれば3百万人はいる。その半分の人たちを取り込めばいいんだ。』
『ヨーロッパのクラブチームは、サポーターであるソシオ会員が幹部を選挙で選ぶ。幹部は自分のビジョンを持っているし多くの人の支持を得なければならない。普通にソシオは4万人もいるチームもある。幹部は選挙で選ばれる為に必死にビジョンを示すし仕事するよ。』
『福岡のクラブの人たちは、どう?だいたい彼らにはビジョンがないよ。』
『どこの世界もサッカーが好きな人がクラブを経営・運営しなければならない。』
『この前まで社長をしていた人が今、博多の森に来てる?自分は辞めてからの熊倉さん見たことないよ。今の社長だって出向が解けたら博多の森には来ないよ。たぶん。何故なら、彼らはサッカーを好きではないんだ。』
アビスパの不幸は、クラブの幹部が「サッカーを好きでやってる」人がいない点なんだ。』

■無駄遣い

『どれだけ提案をしたと思う?クラブに対してサポーターや集客を増やすための提案はいくらもしたよ。でも検討します。でオシマイね。』
『J1には松田さんのお陰で上がった。常識的にはあと1年は彼がやるべきであった。これ当たり前のこと。』
『クラブはもう1億円位は無駄使いしてるよ。せっかくフィットしている松田さんを解任した費用。新しい監督を迎い入れる費用。中途半端な選手たちを呼ぶ費用。もうそれだけでも1億円にはなる。1億円あれば誰が呼べる?たいがいの強いFWは声かけれるよ。』

■何もしないサポーター

『サポーターにも問題ある。ウルトラは未だ全体のこと考えてないし、だいたいみんな優し過ぎるし大人しい。』
『サポーターがポジティブに取り組めることはたくさんある。みんなサッカー好きならお金とか関係なく動けるでしょ?』
『ボランティアで色んなことができる。でもみんな何もやってない。ただクラブを批判してるだけ。』
博多の森には託児所を作るべき。市内の保育園に頼んで運営する。スタジアムでは保育園を宣伝してあげる。出場予定のない選手が遊んであげたり一緒に写真撮ったりすればいい。5歳以下の子供さんを持つご夫婦は博多の森へは行きたくても観戦に行けない。サポーターも声上げないと。』

■情報公開

博多の森のマッチデイニュース程ツマらないものはない。もちろん公式サイトもヒドい。見る気もしない。公式見る位なら「パス&ゴー」の方がはるかに出来がいい。これまでクラブに多くの提案したけど。自分の身を考えてるだけで何の改善もない。』
『みんなでクラブに相談して月刊でいいから雑誌を作るといい。3百円くらいなら博多駅や天神などで販売すればかなり売れる。』
『「98年のレプリカが欲しい」とか「何年前のチケットの半券が欲しい」とか、そんなのが好きな人は多くいる。雑誌でみんなで情報を公開しあって、交換しあえばいい。』
『何も利益を出す必要はない。雑誌は実費で販売すればいい。クラブに言うと、「余ったらどうしますか?」というバカな返事するんだ。』
『例えば子供用の枕とかお布団とか毛布とか、アビスパグッズを何故作らないのか。赤ちゃんの頃からクラブのグッズを身につけて寝るといいよ。絶対に。』
『東区に1店舗、南区に1店舗。と各区に店を作る。コーヒーが飲めて、クッキーやケーキがあって。グッズを売って。夜はお酒を出す。大きな画面でゲームも見れる。アビスパサポーターが集まる場所が今はないからね。チケットもそこでもちろん販売する。』
『これは実現したらいいと思うけど。例えばクラブが1軒に2千万位投資する。投資した金でお店を出す。何年かかけて店はそれを返していくようにする。儲かった分はお店を運営してる人が貰えばいい。』『そうなればみんな頑張って良いサービスするしやりたい人は多いと思うよ。』
『何にしてもプロジェクトを組んで準備すればそう難しくはない。』

■チーム崩壊

『このままいけばJ2に落ちる。落ちたら北斗と城後はいなくなる。』
『いやそれだけではない。降格したらスポンサーも下りるところが出てくる。今は福岡市やコカコーラとの付き合いで仕方なくやってるスポンサー多いから。彼らもいつまでもはスポンサーしない。』
『このまま何もしないでいけばクラブは無くなると思う。』
『クラブが無くなっても彼ら(幹部)は帰るところがある。』
『また降格したら上がるのは難しい。』
『サポーターがそれで良ければ、無くなっても仕方ないね。』

実は、これ以外にもHAKTANOMORI PROJECTで推進しようとしてる課題や考えについてこちらから持ち掛け話し合ったのですが、その点については今回は割愛させて頂きます。
サイラーさんが一番強調されていたのは、チームに明確なビジョンがないこと、でした。