ガーナ戦

■PITイン
オシムさんは、サーキットのPITに走ることなく待機させていたマシンを次々に走らせようとしている。

点火プラグを高性能なものに取替え、オイル交換をし、新しいタイヤを履かせて。
しかし、ドライバーは直線では目いっぱいアクセルは吹かせてもコーナリングやタイトなヘヤピンカーブでは少し危なっかしい。

後の祭りかも知れないが、04年位にこういうテスト走行があったら状況はまるで変わっていたに違いない。
先日もある方と話ししたところだが、驚くことにサポーターと変わらない視点でオシムさんは次々と新しいレーシングマシンをピックアップしチーム開発をやっている。
■ガーナ代表
ガーナ代表はさすがに決勝トーナメントに出場しただけのチームである。
ガーナ代表には今までのアフリカの強豪国とは違う運動性を見ることができる。90年大会以降のカメルーン代表や02年大会で準々決勝に進出したセネガル代表とはまたひと味違った、守備能力に優れた良いチームであった。このままいけば彼らはしばらくアフリカの盟主国として存在するに違いない。

ガーナ代表はチェルシーの8ミカエル・エッシェンばかりが話題になっているようだが、今回召集したキャプテンの10スティーブン・アッピアはドイツ大会の米国戦でMOMに輝いた選手。
またGK22リチャード・キングソンは、06年大会でベスト3位のセーブ数を誇る記録を残している。ちなみに彼は98年からトルコのクラブチームで活躍しているらしいが、18歳でアトランタ五輪にも出場している。

『ガーナが非常に強かったので我々は作戦通りプレーできなかった。絶好のチャンスはひとつも作れなかった。プレッシャーをかけることができなかった。』(WCグループリーグで対戦したチェコネドヴェド談)

ガーナの選手たちの初速の速さと個々が持つ運動性は、国内で開催される親善試合では殆ど見られない本気度であった。もちろんJにも存在しない運動能力であった。
何より中盤のエッシェンアッピアムンタリの3人の連携は流石にチェコや米国を苦しめただけのことはある。
■今野の使い方
オシムさん就任後、今野の怪我によって鈴木啓太がこの代表チームの心臓部に位置するようになった。
今野はもう少し前目の選手であることは間違いないが、オシムさん的には縦横無尽の活躍をみせる啓太をもはや外せなくなっていることは確か。
この試合は二人を同時に使う実験をやっていた。
3バック時のオシムさんのボランチの選手の登用はしばらく続くだろうと思う。
オシムさん視点であれば3バックであれば今野の位置にマリノスの松田、左に中田浩二、センターに阿部であれば十分に魅力的なチームになりそうに思う。闘莉王がベンチで叫ぶ役割になるが。
大事な試合ではどちらか一人しか選ばれないと思うが、啓太と今野がこの先においてもライバルになることは間違いない。
オシムさんのお陰でこのようにアレコレ推理、推察する楽しみはできるようになった。
それにしても未だ一人も呼ばれない鹿島勢であるが、変態・野沢やスピードスター内田、クレバーな岩政はいずれ使って欲しいものである。
高松(大分)や杉本(名古屋)らと並び彼らもまた新しい井戸の選手たちである。
ここ数試合、小粒感は否めないが、オシムさんのサッカーが段々と根付きはじめている。