せいもん払い

Jamie Cullum
最近は耳障りの良いJamie Cullumをよく聴いている。この未だ20代のUKの感性豊かな若者は、ギタリストの父とヴォーカリストの母、ギタリストの叔父にサックス奏者の祖父を持つ。
女王陛下のパーティで演奏するという才能だけでなく、例えが変だがビル・エバンスがブルースを奏でるような豊かな音楽性を感じる。
この先、祇園精舎の人生経験さえ積み重ねていけばジェイミーは素晴らしいJAZZシンガーになるように思う。
■福岡JAZZ事情
JAZZは狭い閉鎖空間へ文庫本片手に出かけるような音楽体験の一つでもあるが。
しかし個人的には、大学を選択するのに当時東横線の自由が丘にあった5SPOTに通いたくて、実は上京を選んだ。極めて矮小な希望ではあるが、大きなJAZZクラブは青春の憧れのひとつでもあった。
福岡のJAZZクラブでは老舗のNew COMBOや、10代の頃良く通ったRiver Sideが個人的には馴染みの店としてある。
River Sideと同じ東中洲にあるTROMBONE CLUBや、またBrownyBACKSTAGEJAB、デジャ・ヴなどの小さなライブ演奏が聴けるJAZZクラブなどもある。
最近の情報によると、新天町の並びにある閉鎖したBLUE NOTE福岡跡が来夏Billboard Liveと名を変えて開業するという。
海外の大物アーチストを招き広くJAZZ層を広げる役目を果たしていく大型の店舗の経営は大変だと思うが、経営権を持つ阪神コンテンツには期待したい。
現在開催されている大相撲やプロ野球などに限らず、どちらかといえば福岡の街は「興行」は成功しやすいが、インテリジェンスを感じさせる豊かな文化は熟成しにくい土壌である。
ここ35年の間、数多く排出したミュージシャンたちも名を上げる為に東へと昇った。
果たしてこの街の人々がBillboard Liveを支えきれるのかどうか。
そういう意味では文化不毛に陥りやすい体育会系の街なのかも知れない。
アビスパも今は脆弱な基盤でしかないが、なんとか時間をかけてサッカー文化だけは育って欲しいものである。
■せいもん払い
さて。
博多の老舗が立ち並ぶ川端通り商店街ではせいもん払いが始まった。
せいもん払いは大阪の蛭子市の誓文払いを発端に(真似)したもので、博多商人の老舗の年に一度の安売りセールである。15日からはじまったせいもん払いは今月20日まで。
また60周年を迎える新天町でもせいもん払いが始まった。博多の街でせいもん払いの文字を見ると年の瀬を感じるものだ。