勝ち点失う

[J1第31節、川崎ー福岡]:11月14日(土)等々力競技場
■中盤のせめぎ合い
フロンターレは、ジュニーニョマギヌン、マルコンの3人が揃いも揃って累積欠場。
決定的な仕事ができるジュニーニョ、前線でアクセントになっているマギヌン不在では前線にスペースができない。いくら売り出し中の日本代表の中村憲剛であってもスペースが無ければどうにもならない。
等々力の川崎は2週間前(11/4)の天皇杯を観戦したが、得点を重ねているFW我那覇マギヌンのゲームメイクがあってこそ生きる。
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アビスパは、この時期になって大して練習も訓練もしてない北斗・布部の2トップ。今さらながらの場当たり戦術。
今季のアビスパの致命傷は決定力を有するFW不在であるが、それでもFWをFWとして最初からキチンと使わない場当たりな川勝さんもどうかしている。
個人的にはこのゲームは中盤次第と見ていた。
しかし予想に反してフロンターレは守備的にゲームに入った。
博多の森の前節サンフレッチェ戦を大いに研究したに違いないが、関塚さんは3バックの外にスペースを与えないよう、5バック気味の布陣を敷いた。
飛車角金抜きの戦いで現実的なゲームの入り方は関塚さんらしいが、成るほど試合後のインタビューを読むと関塚さんは後半勝負だったらしい。
しかしホベルト*1の獅子奮迅の活躍でフロンターレのチャンスを次々とツブし、後半になってもセカンドボールはアビスパのものであった
このゲームは、フロンターレのサイドの西山(広島ユース出身)がリーグ2試合目の出場で瞬発力あって興味深かったが、後半途中までフロンターレは得点の匂いがしなかった。
アビスパの中盤の集中力は、ホベルト、佐伯、久藤、誠史の4人に布部の前線からのチェイシングが効き、北斗も意外にトップ下に下がりフロンターレにスペースを作らせず、憲剛や谷口に余裕もスキも与えず簡単には仕事をさせなかった。
■城後と佑昌の躍動
後半になって、アビスパはセットプレー以外には失点しないだろうと見ていたが、後半14分の千代反田が与えたPKは痛かった。あの場面は千代を攻められないが、その前のボールの出所を注意すべきであった。
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アビスパはリードされた後半27分、FWに城後、右サイドハーフ田中佑昌(ユースケ)の北京世代をピッチに送り込み前線に活気を作った。
この二人のスピードと新鮮で激しい動きは、まるで大動脈に新たな血液を送るがごとくであったが、案の定出場8分後には佑昌の見事なゴールで同点にした。
この2人に北斗、柳楽が同世代であるがこれら希望溢れる若武者たちを失わない為にも、チームはなんとしても残留しなければならない。
結局ゲームはチャンスに決め切れなかったアビスパが勝ち点を失うこととなった。
ホンの4年前には同じレベルのクラブ同士で、しかも大して格差も感じなかったチーム力が大きく水をあけられたことを改めて見せ付けられた。しかもフロンターレ過去をリスペクトし地元を巻き込んだ構成力は学ぶべき点多い。
日帰り観戦は堪えたが、アビスパの16位以下が決定した。

*1:それにしてもエルゴラの江藤氏の評価はどうかと思う。ホベに7.5なんて。ケンゴに仕事をさせなかった点を評価してるのかも知れないが、あれ位ホベルトにとっては普通だろ。