ホームの底力


*15時試合開始だったが、この後ホイッスル間も無くスタジアムには照明が点灯された。
[J1第32節、福岡ーG大阪]:博多の森競技場
Jリーグも残り3試合。この日は雨天にも関わらず埼玉スタジアム、味の素に次いで3番目となる2万以上を集めた博多の森
Uー21韓国戦で負傷したダイナモ中村北斗を欠き、剣が峰のガンバ戦。
■ベテラン踏ん張る
前線には薮田と布部のベテランを配置し、これまで強豪チーム相手に成功してきた前線からの激しいチェイシングとコンパクトな4−4−2の3ラインの布陣を取る。
全般的に雨に弱い足腰の脆弱さを、中盤の底に陣取るホベルトの厳しい寄せと脅威的なセカンドボール奪取で、中盤を凌ぎ切ろうという作戦。
ガンバ相手に前半ドローで済んだのは、久藤、薮田、布部の運動量のおかげ。
■マグノ不発
それにしてもガンバの攻撃陣はこれまで戦ったチームの中ではJ随一といえるもので、遠藤が不在であってもその攻撃性はお見事というほかない。新旧の日本代表クラスが揃い、相手チームとしては一番怖さがあった。
中でも二川は素晴らしい能力の選手で、この日も二川の動きが一番に怖さを感じた。彼の技術と的確なポジショニングをもう少し使えば破壊力は更に増すはずだが。
アビスパも2万人の声援を力にして戦うも、もしアウェーであれば4失点はしたように思う。
この日のマグノアウベスは、1対1の局面では全て圧倒していたが、連戦と厳しい日程で足腰にきてように感じた。
特に、シュートの場面での軸足の左足がしっかりしておらず、数々とチャンスは作れども、シュートが狙ったところへ飛ばなかった。
確かにゴールポストや運に見放されたところもあったが、左膝か足首に疲労がたまっているように見えた。
この日のドローで、ガンバの優勝はほぼ難しくなった。
誠史に押し込まれていた加地を孤立させ、左サイドで勝る家長の仕事以外には無理やりの中央突破ばかり。力尽くでの得点狙いばかりで、アビスパ守備陣も西野さんのマグノ依存の戦術で救われた。
■MOMは薮田
それにしてもこの日の薮田はMOM!
薮田の背中には北斗の戦う意思(魂)がまるで宿っていたかのようだった。彼の果てしない運動量は、踏ん張る守備陣を鼓舞したに違いない。
ただGK水谷と千代反田、宮本の守備陣の連携にズレを見せていたことは気になった。
一瞬5月3日のフロンターレ戦を彷彿させるものが何度もあった。
熱い闘争心でラインを上げたい宮本と、マグノの圧力にズルズル下がる千代とのバランスも、今後の修正すべき課題であるだろう。しかし、守備陣はよく耐えたように思う。
個人的には試合後はグッタリとなり息切れがした。重たくも肩が凝るようなゲームだった。
ゲーム終了後スグに池下さん(専務)に挨拶したが、右手で千切れんばかりに小旗を振り過ぎて疲労困憊の様子であった。専務も同じく戦っていたのだ。
名波を補強したセレッソとの戦いになったが、入れ替え戦に出場するにはグランパスに勝つしかない。改めて瑞穂遠征を決意したゲームだった。

*試合前にはFW飯尾の「J通算100試合出場」の表彰式が