全ては最終節

[J1第33節、名古屋ー福岡]:瑞穂陸上競技場
ここ3戦続けて先制点を奪われているアビスパ
この重要な一戦は全体をコンパクトにし、全員のコンビネーションでスキを作らず前半を無失点で抑えてゲームを作りたい。
そしてグランパスはFWヨンセンが累積で不在。
前線に目標がない為、縦ポンサッカーはほかへ置き、ボールを繋ぎながら攻め手を見出したいグランパス
試合前、そういう意味ではグランパスは中盤の藤田俊哉がキープレーヤーだと見ていた。
■意思統一
ゲームは全体としては当面の目標があるアビスパの方がモチベーションも高く、ボールも良く奪っていた。
しかしアウェーのこのゲーム。アビスパは少し前がかり過ぎる場面が多かった。案の定、そこを突かれた。
自陣ボールになるといつも以上にホベルトが積極的に前へ出ていた。その分チームとして藤田のケアが出来ていないように見えた。
元々アビスパには1対1を指向するほどの個の強さはない。川勝氏の勘違いサッカーが結果を出せず、空回りし続けた8月の不振の要因は、実はこの点にある。
今日も感じたが、このところのセンターバックへの負担は、チーム全体が攻めるのか守るのか、流すのか、の意思統一が欠けている点にある。PKは柳楽一人に責任を押し付けるべきではない。
グランパスは十分に意思統一が取れていた。フェルフォーセンの指示だと思うが守る時と攻める時がハッキリしていた。押し込まれていたがチームとしてのリズムは失っていなかった。
攻める時のその中心を担ったのはやはり藤田俊哉だった。
Vの字の中盤の底に位置する彼を経由しての素早いカウンターが、右へ左へ、独特の視野の広い展開力は彼ならではだった。
ヨンセン不在の前線も、数少ないチャンスにスペースを作ることや囮になる動きはやろうとしていた。
■疲弊するベテラン選手たち
このところの連戦。しかも中二日のアウェー。
選手たちはモチベーション高めて戦っていたが、後半ベテランたちは足にきていた。大事な局面での吉村、佐伯のパスミスの多さはそれが物語っている。
雁ノ巣のブルーシートに覆われた中、コンディションを見ているコーチや指揮官の判断次第だが、こういう日程であれば城後や佑昌、辰徳を最初から使って欲しいと思う。
チャレンジ精神旺盛な若い彼らの多少のミスならサポーターも納得はする。
自力での入れ替え戦出場の芽はなくなったが、ホームの最終戦は全てを振り絞って戦わなければならない。
グランパス相手に無得点は修正すべき点が多いが、いずれにしても先制されたらどんな相手でも厳しい。
これからの6日間、チームとしての意思統一を望みたい。それが川勝氏のリーグ戦最後の仕事であろう。