さよなら長谷川さん

2月の末の頃だったろうか。複数の方から彼の悪事を聞く。
■サッカーゴロ、トップへ
昨年末12月のはじめ。財務、営業、販促、広報、スペシャリスト不在のクラブの中で、唯一のプロといえる立場の彼がクラブ内でチーム統括グループ長に就任。
ヤンマー出身の彼はヴィッセルグランパスセレッソと引退後も各クラブを転々。
06年1月、5年ぶりにJ1へ昇格したチーム作りを任された彼はチーム体制作りに従事。
基本的にはこの時点では監督の松田氏の意向を受けた形での補強。
しかしFWの補強を公に「約束した」ものの長谷川氏はその仕事を果たせない。
■怪我人続出
2月宮崎キャンプ、チームは順調に仕上がる。開幕前、長谷川氏はこのチームの問題はFWにあると相変わらず口走る。誰の仕事のことか。
3月開幕。得点力はともかく、長年培った守備組織で強豪クラブと好ゲームを続ける。引き締まった良いゲームは行うが念願の勝ち点3はなかなか奪えない。
そしてそれほど厚くもない選手層に怪我人が出始める。
田中佑昌左足関節捻挫。
古賀誠史靭帯損傷。
川島眞也脛骨下端骨折。
布部陽功肋骨骨折。
宮崎光平肋骨骨折。
いずれも開幕1ヶ月内での怪我で全治3〜4週間。その後も4月になって柳楽智和左足関節捻挫全治4ヶ月。
■新体制と松田氏解任
4月株主総会。32億8千万円の大幅減資で膨大な累損を除却。新社長就任。
債務超過・即クラブ解散となる為、今期の債務超過は絶対に許されず。見るべきスペシャリストの財務担当は不在。
5月松田監督突然の解任。怪我人続出の上FW補強の約束も果たせぬまま「すうじ」の一言で長谷川氏が解任通告。
発表は組織の長として新社長がやるも、そそのかしたのは長谷川氏、それを見守り後押しする運営本部長町田氏。
「FWに守備させるチームでは得点力は上がらない」とド素人の町田氏。
確かに松田氏にも限界はあった。しかしこの辞めさせ方はいかにも尋常ではなかった。
そしてこの件で黙り込むウルトラは長谷川擁護なのか、果たして破滅的な過去を辿りたくないという苦痛心情なのか。ならば直接確かめるしかない。
■サポーター立ち上がる
松田派でも松田信者でもない普通の名も無き一般サポーターが次々と立ち上がる。ネットを通して声を出し始める。
現地ではスカウト活動を一切放棄したブラジル旅行、石垣キャンプの複数の女性連れ込み、代表戦視察に名を借りた中国旅行。いずれも事実。2月聞いた悪事とこの一連の我が地元クラブでの”仕事”は相通じるもの。クラブを食い物にするだけにしか見えないチーム統括。
本来取り組んでいる彼の仕事ぶりや長所はイメージの中でやがて消し去られる。急場しのぎの補強。うさん臭い噂。疲弊する財務状況の中、長谷川氏のツギハギ補強で約1億円をドブに捨てる。
領収書に黙認印を押す内部。監査チェック機能なしの内部体制。クラブ内の若いプロパー社員のやり場のない気持ち。組織なき組織。
クラブは何らかの手段で刷新するしか道はない。
主体者たるべき様子見続ける社長が新大陸発見はいつの日か。
しかし長谷川解任をただ叫ぶだけでないその先にあるもの。長い視点のクラブへの対峙。
■長谷川解任
7月、8月これまでの積み重ねに合わないチーム戦術の川勝氏迷走。10数試合の無駄を通過し川勝氏はようやく戦い方を知る。稚拙な戦術。ベテラン選手任せという名の自主性。
しかしやがてチームの戦い方はほぼ序盤に戻る。川勝氏の限定された若手の育成と攻め手の手数で僅かに勝ち点を増やし始める。チームの戦い方の中心を担うのは布部、久藤のベテラン勢。
その結果11月26日現在17位。セレッソとの勝ち点差1。
入れ替え戦出場するには最終節に賭けるしかない。切羽詰った残留決戦。
そして水面下では来季に向けたチーム体制作り。GM不在、サッカーゴロ長谷川氏に任せられないとすると。社長自ら慣れない手で体制作りに着手するしかないのか。実際。
11月30日、「来季は長谷川氏と契約しない」と地元新聞が抜く。

シーズン途中で監督を交代させるも成績は上がらず。約束したFW補強も果たせず今季の得点数は僅か31。当然の摂理。
早すぎる監督交代。遅すぎる結幕。

クラブの迷走はこれにて落着。遠い遠い回り道の末。
しかし残留は未だ果たしてはいないのだ。

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