前半は無失点ドロー

入替え戦を前にGK水谷は大きなストレスを抱え(胃腸系の)体調不良を訴えていたらしい。
いやゲームに出ている選手のみならず、クラブ関係者、スポンサーそして何よりサポーターの心情は言葉では表現できないほどの重い精神状態を抱えている。
なんとか強い気持ちでこの時期を乗り越えなければならない。
この2試合のゲームだけは楽しむことからは大きくかけ離れている。
それにしても入替え戦に縁があるチームである。
■術中
アビスパ福岡ホベルトのチームである。
視野の狭さと展開力の不足が彼の足りないところではあるが、そうであったとしても特に守備面での彼の危機察知能力と働きぶりは一年間を通してすさまじかった。今年はキャプテンを任じられベテランの布部や久藤そしてセンターバックの千代反田たちと、これまでチームをまとめてきた。
今シーズン、チームにとっては彼ら選手たちには何の責任もない多くの問題や災難が起きながらも、選手たちはよくぞここまで乗り切ってきたと思う。
苦戦続きではあったが大きくチーム崩壊しなかったのは、それもこれもホベルトが中心にいればこそだったから、と思う。
さてこのチームをホベルトのチームにしたのは今回の入替え戦の相手である松田氏である。
アウェーのこのゲーム、互いに守備的に戦うことはわかっていたことだが。
ゲーム前には松田氏がどう取り組むのか、どのような戦い方をするのか非常に興味深かった。
もちろん第1戦は互いのチームを知る為の模様眺めのところもあった。
しかし後ろから大きく蹴り込むサッカーを意識して続けたヴィッセルは中盤の底に立つホベルトを強く意識してゲームに入ったように見えた。
ヴィッセルがポゼッションを無視したおかげでボールは持てたがアビスパには決定的な仕事には余り繋がらなかった。
やはり松田氏はホベルトに仕事をさせないゲームをしたかったのだろう。
■守備的
守備的に戦うことと守勢に回ることは違う。両チームともリスクを怖れ、第1戦は守備的にゲームに入った。
また前線には手数をかけず個人の能力任せで戦った。
入替え戦の戦い方としてそれはそれで理にかなっているが、この2試合を前半90分、後半90分と考えれば「前半はしっかり無失点に抑える」ことが何よりポイントになる。
結果的にはヴィッセルには三浦淳不在であるということと、アビスパにとっては2戦目が博多の森であるということから、ウイングスタジアムでは両チームとも「相手チームの無失点狙い」ができて良かったように思う。(アウェーゴールの問題はあったにしても)
アビスパにとっては、もちろん1−0を狙って1点取りにいくゲームもアリだと思うが、それによって崩され失点することを異常に怖れたと見た。マスコミ記者がどう書こうとこういうゲームは普通のゲームではない。1失点が2失点に大きく繋がりやすい。
おそらく前線に大きな決定力を持たない両チームとも、2戦目も守備的に戦うだろう。
アビスパにとっては三浦淳が出場するゲームの方が実は戦いやすいと個人的には見ているのだが。
セットプレーさえ気をつければ、中盤を通してのゲームメイクならJ1で苦労したアビスパの方がヴィッセルに大きく差をつけているようにも見える。
そういう意味ではアビスパホベルトヴィッセル三浦淳のボール捌きこそが、残留か昇格かの分かれ目になるように思う。
高ぶった神経のままの寝不足は土曜日まで続く。