「ユースケ」Ⅱ.

[J2第25節、福岡ー水戸]:博多の森球技場
長丁場のJ2、2'ndレグもこの試合を入れて残り2試合。
このゲームは福岡の3人の前線の選手たちの得点で完勝と言えるものでした。
特に今季最高と言えるほど田中佑昌のパフォーマンスは素晴らしく、この日の彼のプレーは十分に入場料の価値がありました。

「この2人(佑昌と久永)がすごい運動量でサイドを駆け上がってくれるので、彼らの活躍によって私もそうですし、チームがいろんなものを得ていると思います。また、アレックスとのピッチ外での友情がピッチの中でも現われて、それが形として得点につながっています。つまらないプライドとか虚栄心は全くないので、誰が点を取っても常に幸福な気持ちを感じています。・・・」(ゲーム後リンコン

■恭平の存在感
水戸の戦い方はよくミトナチオと表現されますが、このゲームは前田さんが言われるように、相手ボール時だけでなく、自陣ボール時にも腰が引けて”リスクを負わない”水戸の選手たちのゲーム運びもあり、福岡の中盤が自由に動けていました。
特にこのゲームは、先発した山形恭平のポジショニングの良さと積極的な守備で、終始バイタルを空けませんでした。
福岡が(後半)不安定になる際に良く見られる「バイタルエリアが空き気味になった」のは、後半に釘崎、林の2トップを敷き布部*1の1ボランチの数分間だけでした。
恭平の積極的な守備は、十分にチーム全体を機能させていたと思います。
■今季最高のユースケ
2'ndステージの”悪夢の4連敗”の始まりは、15節の京都戦の田中佑昌不在のゲームから始まったわけですが。田中佑昌の成長ぶりについては23節の山形戦の際も書いたように、身上のスピードだけに限らず、重心の低いドリブル突破や中に切れ込んでのゴールを狙う姿勢は、J1レベルと言って良いほど成長著しいものがあると思います。
前半19分にリンコンがDFを引き連れたスペースに利き足でない左足で放った強烈なスライドのかかった1点目のゴール。
自ら得点した場面だけでなく、前半33分のリンコンの2点目、後半9分のアレックスの3点目のゴールと、今日の3得点は全て田中佑昌のプレーが基点となっていました。
春先に比べてクロスの精度も向上し、最近はスキルアップした佑昌の存在自体がアビスパ福岡の強烈な武器になりつつといえます。

*1:連戦が続く中、布部はこのゲームは休養予定でしたが、先発メンバー入りしていた宮崎光平の左足の違和感により、ゲーム前に急遽ベンチ入りしました。