アジア杯開幕

■WC1年後の開催
アジア杯が始まった。
本音を言えばカナダで行われているワールドユース(U−20)の方に強く興味を惹かれているが。タイ・ベトナムインドネシアの3ケ国で開催されるアジア杯は、A〜D組の4つのグループでグループリーグを戦い7月29日(日)の決勝の日まで計32試合が行われる。
今回の大会は、WCの1年後の開催であることとオーストラリアがこの大会よりアジアの仲間入りをしていることが一番の特徴か。
この時期は3ケ国とも湿度も高く気温は35度前後と、サッカーをするには非常に厳しいコンディションである。
日本は、ベトナム、UAE、カタールと同組でグループBに入り、リーグ戦を戦う。
■本命はオーストラリアか
ドイツWCで惨敗した日本代表チームの監督にオシムさんが就任し、オシムさんは代表の”千葉化”を進めながら、このところのチームに中澤と中村俊輔、高原と06年WCチームから3人の中心選手が加入した。
3人が加入してもチームが小ぶりな印象をぬぐえないのは、ジーコがおろそかにしていた世代交代にオシムさんが熱心に取組んできたことと、チーム作りの最初から3人のような中心メンバーが入っていなかったからであろう。
オシムさんには期待しているし、日本サッカー全体の底上げを含めてオシム改革を是非とも続けて欲しい。
しかし、この大会に向けて協会を含めた世間のアジア杯に対する目標設定の無さ加減や衆目の弱さは何とも残念としかいいようがない。WCから1年、国内は先ほどまでリーグ戦の途中、であったにしてもである。
アジア杯はアジアの盟主を決める大会である。
これまでの過去の戦歴を見ても、戦力的にも、優勝明言は強い意思表示であり、少なくともアジアベスト4は最低目標としなけらばいけないように思う。
10WC南アフリカ大会出場と成果こそを至上命題と最大目標にし、アジア大会はチームも選手もまるでその為の経験値を増やす大会のように見えている状況については私はどうかと思う。
この大会こそ何がなんでも優勝する為の人選をし「優勝を目標にする」という大きなエネルギーの集約や躍動感こそがサッカー界全体の底上げを果たすのにである。
今回の取り組みを見れば、決勝まで残るのは至難のことのように思う。
残念ながらこの大会に優勝するのは2大会連続優勝の日本でなく初参加のオーストラリアであろう。
個人的にはできればドイツWCのメンバーベースにオシムさんを据え、オーストラリアにリベンジして欲しいところであるが。
■停滞感の中のドローゲーム
ハノイで行われた初戦のカタール戦。
オシムさんは中盤に遠藤、俊輔、健剛の3人のスペシャリストを並べた。
湿度の高い暑い季節、引き気味な布陣を相手が敷くことなどを考慮に入れてのことだろうが。
組み合わせとしてはこの布陣は前半45分用のように感じた。おかげでボールは長く持てても前線に煮詰まり感がありありで、山岸は噛み合わず、攻撃面での両サイドの選手たちとの流動性をも作れなかった。
3人並べるならむしろ家永、水野、本田のチームや、柏木、梅崎らの下の世代の方が更にスピード感も躍動感もあるように思った。
私の浅い読みでしかないがそれら”停滞感”のカバーをする為に山岸や羽生らかっての教え子達、千葉の選手を使っているように思えた。
さて、オシムジャパンは決勝まで昇り詰めるのであろうか。