新たな地平へ

[アジア杯準々決勝:日本ーオーストラリア]:ベトナムハノイ
■チームの一体感
アジア杯の日本代表は初戦ドローでうまくゲームを運べなかったことが幸いしました。

06年ドイツWCのジーコジャパンが史上最強ともいって良い戦力をそろえながら全く結果を出せなかったのは、”チームの一体感”の無さが大きな敗因にあったと思います。

02年日韓WCのトルシエジャパンが最終メンバーに秋田豊(当時鹿島)と中山雅史(磐田)の二人をあえて組み入れ、そのことによって中田英寿シドニー世代と、小野伸二らナイジェリアWY世代の若い選手たちを一つのチームとしてまとめあげることができました。

大きな大会ほど、勝ち進むにはチームの一体感が絶対条件になります。

オシムジャパンは、欧州列強での経験がある中村俊輔や高原が加入しチームに戦力的な厚みはもたらしましたが、残念ながらこのチームにはチームをまとめきれるメンバーがいませんでした。
個人的には中澤に期待していますがしかし彼のキャラ的には少し違う。

初戦の苦戦の後にオシムさんの激烈な叱咤があったそうですが、このチームには先発メンバーと控えのメンバーの垣根がまったくないように思います。
準決勝進出の大きな要因はハノイでの戦いの中で芽生えたチームの一体感にあったように思いますし、この日の勝利によって日本チームは強い魂の塊となって決勝まで進むものと思います。
■”リベンジ”
ドイツWCで戦った代表メンバーにとっては拭いきれない苦い残像が今でも重しとなっていると思いますが、このオーストラリア戦での勝利によって日本代表は新たな地平へと進んだように思います。

改めて、アジア大会の決勝トーナメントで10年WC予選の一番のライバルになるであろうオーストラリア代表を打ち破ったことに、大いなる喜びと新たな希望のエールを送りたいと思います。

延長30分を加えた試合時間120分をオーストラリア代表と戦った日本チームは、後半24分にCKからアロイージに先制されるもその2分後には高原の今大会4得点目となるゴールで追いつき、その後追加点は奪えぬも終始日本のリズムで優勢に戦いました。
一人退場者を出したこともありましたがオーストラリアが後半からファウルをもらってのセットプレー狙いでの消極的なゲーム運びにならざろうえなかったのは、日本の精神的な攻めの気持ちの継続とチームとしてのリズムの良さがあったからだと思います。
■人選
PK戦で蹴った5人はいずれもあのドイツにいたメンバーでした。
もちろんこういう場面では”神”になる川口能活の高い精神性も素晴らしいものでしたが。PKポイントに立つ俊輔、遠藤、駒野、高原、中澤の5人はオシムの人選だったと思います。

タンスから引き出された1年ぶりの代表レプリカは少しショウノウ臭いものでしたが。最後の歓喜の瞬間が先制ゴールの高原でなく中澤によってもたらされた事が、このチームの一体感を更に強固にしていくものと思います。

少し時間が出来そうなのでジャカルタ(29日決勝の地)への航空券を押さえる事にしました。