課題は昇華したか 2.

クラブはチーム成績を上げる為の手立てと、若い選手の育成を同時にやっていかなければなりません。
しかしこの時点に於いてはチーム成績は今一歩昇格圏内には入れず、期待する若手の伸び悩みは明らかでどちらも中途半端といわざろうえません。
そしてアジア杯でも垣間見られましたが。代表選手がオシムさんの顔色ばかりを伺い本来の発揮すべき力を表現できていないように。福岡の選手たちの一部は未だリトバルスキーの顔色ばかりを伺っているようにも見えます。
何も思ったように成績が上がらない責任は監督ばかりともいえない。
もちろん結果責任は負わなければなりませんが、リティがチームや選手たちに「何を求めているか」少し考えてみたいと思います。
■アレックス仕様
今シーズン、福岡はアレックス仕様のチームに変貌を遂げました。
PKを含んだとしても32節現在17ゴールと、リーグ3位の得点数はシーズン前に誰が予想できたでしょうか。アレックスのこの活躍はリティの引き出しによるものです。
アレックスが自由に動けば得点力を増し、その逆であればチームは得点源を失う。
ここ数試合試している3バックも守備的な側面でシフトしたわけではなく、アレックスの自由度を上げる為であるように思えます。
これまで、良い方に捕らえるとリティはチームの短所をには目をつぶり、長く課題だった攻撃特性という長所だけを伸ばそうとしているようにも思えます。
■まだ足りぬプロ意識
そして今シーズン。
飛躍的に成長しチーム戦力になっているは右サイドハーフ田中佑昌であり、右SBの山形辰徳ででしょう。
中でも28試合2,259分の出場はチーム4位、これからも自信を深めた佑昌のピッチ上の輝きは更に増し続けることと思います。
また自らの持っている能力を存分に発揮しているように見えるのはDFラインに欠かせぬ宮本亨。技術やパワーを超えた宮本の精神性の高さには心打たれるものがあります。
またチームの為にと奮闘しているのは久永であり久藤であり布部の3人のベテランたち。
いずれもプロサッカー選手としてひたすらチームの為にサッカーに打ち込んでいることがひしひしと伝わってきます。
チームがそこそこの結果をもたらし”もっている”のは、本当に彼らの力が大きいと思います。
しかし聞くところによると、布部選手等この3選手のように熱心に事前準備を怠らない選手を除くと、ゲーム前に対戦相手のビデオすら見ない、それこそ強制しなければDVDすら目にしない選手の方がまだ多いといいます。
彼らにはJ1へ上がると厳しさだけが待っている。ふるいにかけられる確立も高い。

リティがこのチームと選手たちに求めているのは、何か。

最近つくづくこの点を考えさせられます。
リティも確かに完全ではないし守るべきチーム組織にはまったくといっていいほど手をつけれません。選手任せのその点は明らかに指揮官に責任があります。
しかし、リティが要求するプロとしての厳しさや意識付けはこのチームには未だ浸透していないように見受けます。