小椋を呼べ!

[J2第36節、鳥栖ー水戸]:鳥栖スタジアム

ゲームセットのホイッスルが鳴った途端。
多くの選手たちがピッチ上に倒れこみました。
ゲームは動きませんでしたが、局面局面では激し競り合いとボールの奪い合いが見られ、90分間とても見応えのあるゲームでした。
最後までピッチ上の選手たちの力を出し切るように仕向けたのは、今季最高の観客を迎えたスタンドの人々の声援ですが、合わせて小椋を中心とした水戸の戦い方がそれを引き出したように思います。

前半はボールを相手にもたせバイタルエリアにスペースを作らず、小椋とビジュのふたりで中盤の底に蓋をし塞ぎ切り、怖い藤田は吉本と初田がガードしました。
彼らのひたむきで真摯なプレーぶりで、鳥栖は水戸の3倍ものシュートを全て空砲にしてしまいました。
中でも、サッカーセンスに秀でた小椋は前田さんのサッカーを体現しており、今のU−22代表に召集されてもおかしくないゲームを読む優れた目を持っていると思います。
このゲームでキチンと首振りができている選手は、前田さんのサッカーそのものを体現している小椋だけでした。
水戸はここ5試合で1勝3分1敗。
その中の仙台と福岡に対してのドローゲームが光っています。

鳥栖は前半13分に尹晶煥が負傷で交代したのが痛かった。彼が下がって中盤でのパス交換からの崩しがなくなり、前線とDF陣が間延びしました。19本のシュートはほとんど効果的ではありませんでした。
鳥栖はゴールネットを2度揺らし、オフサイド等でいずれもゴールに認められませんでしたが、内容としてはドローが妥当な結果であったように思います。
鳥栖スタジアムは今季最高の16,661人が入場し、チェアマンも来場していました。