「チームは誰のものか?」その3.

[逃げずに、説明責任を果たせ!]
■最低のタイミング
今季の体制を整えたのは強化部長。
その後フロントは新任なった監督の意思を受け、自ら、昨年までの中心選手であったゲームキャプテンを解雇する。最低のタイミングで。
帰国する彼を見送る為に空港に集まった大勢のサポーター。
今季の混迷の始まりはこの時から始まったのだ。

2007年11月4日。晴れのフクダ電子アリーナ。海風そよぐ臨海スタジアム。
PKだけの得点で1−3とジェフはトリニータに完敗。
そこには新天地で躍動するホベルトがいた。
彼の指先一つでDFのケア。マークの受け渡し。安心して仕事に取り組むDF陣。
いつもの見慣れたホベルトの見事なコーチング。そして献身的なキャプテンシー。怪我をも厭わぬハードプレー。

さて降格したチームは指揮官も変わり、生まれ変わった(ように見えた)。GK,センターバックボランチ。昨年の屋台骨のセンターラインを放出し、ホベルトなど不要になるほどしっかり戦えていればよかったのだ。
当日友人の用事もあって観戦に来た私はピッチの彼を目で追いながら、失ったものの大きさを改めて確認した。
■コントロール不在
前年のキャプテンであり中心選手の解雇をキャンプ直前に行う。
こういう中途半端な時期に解雇するのがうちのフロント。昨年もそうだった。
なんとも微妙な時期に後先考えずに監督を交代させた。いや次の監督さえ決めずに解雇した。
行き当たりバッタリ。
連続性のないチーム方針。チーム強化。
ビジョンさえ打ち出せない第三セクタークラブ幹部。
何も今年に始まったことではない。

昨日用事で強豪校のある監督さんにお話を伺う機会があった。
「12年で11人の監督を(簡単に)変えるようなクラブには・・(とても大事な教え子を)」
行き当たりバッタリは見透かされている。

さて。
要求する監督。限られた補強費。動けぬ強化部。
指揮官を遠巻きに遠慮するフロント。影に隠れての現場への口出し。
どういう方針でどう戦うのか。手直しや修正のないまま時間は経過する。コントロール不在。
GM不在。
混迷するチーム強化。
強化担当と指揮官が互いに打ち解けて胸の内と語り合う機会さえ作らず。シーズン中も、8月になっても9月になっても、冬眠したままのフロントは動きを見せなかった。
とまどう若い選手たち。我慢するベテラン選手たち。”素”の状態ではなかなか戦えない一部の選手たち。
■説明責任
「1年でJ1復帰目指す」チームが、あってはならない2度の大連敗をし、今季の結果を出せなかった責任は、もちろん間違いなく指揮官にある。
このまま現監督と契約継続しても、来年J1へ昇格する保障などどこにもない。しかしリトバルスキーで勝てる体制作りは全くないわけではなかろう。
メディアを使って情報を小出しにしながら様子見伺う。どこかのチキンがやりそうな手だ。
契約継続するのならその策と納得できるだけ説明は必要なはず。
その前にこの事態に陥らせたクラブフロントは、間違いなく説明責任がある。
スポンサーだけでなくサポーターにも。
来季はスポンサーの撤退や大幅な減額もあると聞く。今季は低迷の時期の始まりに過ぎないのか。重大な正念場を迎える2008年。
今年をどう総括するのか。どう反省してどう対策するのか。
一体、来季をどう迎えるつもりでいるのか。
クラブ総責任者の早急の「意見交換会」を求めたい。