進化する田中佑昌

■守備陣の安定
福岡は、これまでの4試合を、11得点の2失点の3勝1敗で戦いました。
シーズンの出足としては、まずまずの内容と結果だと思いますが。
この結果は、何より、守備陣の安定によるところが一番大きいと思います。
中でも、福岡の際だっている点だと思いますが、ボランチ二人のコンビネーションが、今のところJ2のどのチームよりも優れているところでしょうか。
4試合で2失点という結果は、開幕からの4試合を先発出場している中町と、ボランチを組む末吉の、二人の連動と、後ろの丹羽との連携による安定感によるものだと思います。
(末吉のことは、開幕戦の後に少し書きました。)
■業師・永里
この二人の新戦力と併せて、チームにリズムを作っているのが、これまた新戦力の永里。
彼の加入は、今季の福岡にとって、とてつもなく大きいと思います。
永里のことは、宮崎キャンプ以前の雁ノ巣でのトレーニグの時期から、数名の方からの情報が耳に入ってきていましたが、ゲームで実際に見ると、聞いていた以上の素晴らしい選手でした。
まだ4試合です、が。
彼自身が元々持っていたスキルが、いよいよ、この福岡で花開いたように思います。
この、将来性豊かな選手は、両足とも使えて、頭も使える。左右のどちらのサイドでも仕事ができ、ある場面においてはセンターでも仕事のできる業師(わざし)だと思います。
特に、永里のボールキープ力とドリブルは、チームの攻撃に大きなアクセントをつけています。
私は、彼の、サイドから中へ切れ込んでいく動きに惚れ惚れと魅せられていますが、彼は本当に優れたユーティリティプレーヤーだと思います。
その永里は、現在のところ得点ランキング1位です。

■進化する田中佑昌
昨年から少しづつ感じていることですが、佑昌の肉体改造が随分と進んでいるように思っています。
今季はまだ始まったばかりですか、今までと明らかに違うのは、田中佑昌体幹がしっかりしてきていることです。
もちろん雁ノ巣に行けば感じることですが、スタジアムでも、一度、望遠レンズ越しにユニフォーム姿をアップで見るとわかります。
上半身が随分とたくましさを増しました。
さて、速さだけなら日本一。国内で、田中佑昌のように裏へ抜けるスピードを持った選手はそうそういるものではありませんでした。
自分は、出足の瞬間速度だけなら話題の永井(福岡大〜現・神戸の指定選手)よりも速いと見ています。
その速さを認められて、昨年シーズン終了後に広島から田中佑昌にオファーがありました。
代表選手を諦めていない佑昌が、J1でプレーすることを希望するのは当然のことです。
ギリギリまで悩んだ末に、悩みに悩んだ末に、佑昌は、福岡へ残る道を選びました。

福岡で遣り残した仕事をするためです。


キレのあるシュートも、相手DFを翻弄するドリブルも、今一歩だった佑昌が、しっかりした体幹を身につけることで、大きくレベルアップし、今季は、必ず結果に繋がると思います。
右サイドを矢のような速さで裏へ抜け、ボールコントロールしながらゴールに近づき、マイナスの角度でショートクロスを上げ、高橋や大久保がそれに合わせる。
そういうシーンが今年は数多く見られるように思います。
それには、裏へ抜ける佑昌に素早いパスを出せる選手が必要です。


さて。
スタジアムで観戦して、ここ最近の佑昌は、トラップがうまくなったと思いませんか?