勝ち点6

◆山形先制
奥野さんは良いチームを作りつつある。

山形はキャプテン秋葉を中心に細かいパス回しで攻め上がる。しかもコンパクトな陣形な上に球離れが良いので、後手後手の福岡は前半思ったような戦いが出来ず攻め手を欠く。
前半9分のFW中島のゴールは絵に描いたような美しいパス回しから。山形はコンパクトな守備陣形を保ち相手ボール時の寄せも早い。3トップ気味の福岡はなかなか中央から攻めることは困難。

『彼らは前節の愛媛戦では残念な結果になりましたが、彼らは非常にいいチームだと思いますし、本来であれば彼らが勝っていた試合内容だったと私は思っています。なので、今日は難しい試合になりました。ですから、我々が何をやりたいか、何をやるべきかということではなく、山形が素晴らしい試合をしたことで苦しい試合になったということです。』(ゲーム後のプシュニク談)

◆期待の石津同点ゴール
坂田をセンタートップに置き3トップ気味に攻める福岡。だが効果的な攻め手に欠く福岡は相手中央をなかなかこじ開けられない。
そんな中、石津の29分の同点ゴールはピンポイントクロスから。左SB尾亦の切れ味鋭いクロスは福岡の大きな武器。
これで福岡の選手たちの動きが変わる。前半終了まで互いに狭い領域で激しくせめぎ合う。
◆的確な選手交代
プシュニクは後半の10分(船山⇒金久保)、13分(坂田⇒金森)、20分(石津⇒西田)と次々と前目の選手交代の手を打つ。
指揮官は、ピッチ上に選手交代によって明確なメッセージを出す。
ところで、このゲーム、バックスタンドで筑陽学園サッカー部の部員全員が観戦。卒業したばかりの地元出身の新星金森は献身的なチームプレー。
さて。
ゲームの入り方がまったりしてしまった福岡。後半の選手交代策とハーフタイムに的確な指示をしたであろうプシュニク。相手DFを下げさせ分断し、ようやく前線からのチェイシングを取戻しゲーム終盤には試合の主導権を握った福岡。

『今日は本当に悔しい思いをしています。と言うのも、結果を持ち帰りたかったという気持ちがあったんですけれども、リードしながら逆転負けしたというところで、山形で待っていてくださるサポーターの皆さんを始め、当然、今日、来ていただいた多くの方たちに対して、申し訳ないという気持ちでいます』(ゲーム後の奥野さん談)
『山形が望む状態というのは非常にコンパクトな状態、みんなの距離が近い状態なわけですけれども、そこを分断されてしまったということに尽きると思いますね。相手の前線からのチェイシングが非常に良かったことと、相手を下げたボールをシンプルにダイレクトで裏に流し込まれたために、間延びした状態になり、個と個の戦いになる部分が多かったですね。』(同じく奥野さん談)

後半29分、代わった金久保が城後とのワンツーからシュート。福岡初デビューの金久保が技術レベルの高いゴールを決める。
前試合同様、シュート数の少ない福岡はこれで開幕2連勝。早くも勝ち点6ポイントを奪取した。

【ホーム開幕戦の雑感】
・福岡の今シーズンの一番の変化は、城後の守備意識の高さ。
・新加入した地元の中原と金森がチームの戦力となっていること。特に中原は視野も広く期待できる存在。
・偉大なモチベーターである新指揮官を中心に、明らかにチームが一つになっていること。
・前年、史上最悪の失点数であった福岡は、現在、守備の再構築中で、攻めのカタチはまだ未成熟であること。
このあたりは10試合位は見る必要があるように思います。