臆病なDFライン

極端にいえば、現代のサッカーはスペースメイクのサッカーといってもよい。
世界的にも、攻撃時において後ろやサイドラインから前線への放り込みによって決定的な場面を作ろうというサッカーは次第に衰退しつつある。
何より相手を自由にさせない。相手チームに出来うる限りスペースを与えない。
自らの動きでDFを引き連れ、チームの味方の為にスペースを作る。
パスサッカーを志向するなら2番目、3番目の選手同士の近い距離感が重要になってくる。チームがピッチ上でどれだけ一体感を持ってコンパクトに保てるか。
それこそがパスサッカーの生命線といって良い。いわんや1部リーグに比べ技術レベルに落ちる2部のチームならなお更。
今年、新たな指揮官を迎えた福岡。
これまで見た限りにおいては、相手ボール時に前線からの激しいチェイシングを武器にし、高い位置でボールを奪い素早く攻撃に移ることを信条としている。

第3節。
もう何年も勝ててない京都戦。相手ボールへの寄せよりも、DF陣が後ろに下がろうとする動きの一瞬のスキを突かれた。
2連勝でわき上がるムードは一瞬しぼんだが、チームに最後まで戦う姿勢はしぼまなかった。
第4節のこの日の徳島戦。
序盤からセンターバックの2人が相手FWの動きに引っ張られるように下がり続け、バイタルエリアだけでなく相手の中盤のエリアに広大なスペースを与えた。こうやって小林さんの思うツボに入った。
これではセカンドボールを拾えない。このゲームは激しく動き回る前線の選手の疲弊だけが目についたし、こういうゲームは後ろからでも相手を止めるしかない。
PK献上は前半の30分。前半39分にも失点の0−2。
戦績も2勝2敗となった。

強いチームはセンターラインの軸がしっかりしている。
後ろ目のセンターには指揮官の意を受け、ゲームの動きを読みながらチーム全体を動かすピッチ上のリーダー。
今の福岡の場合、ボランチにはそういう役割を与えていないように見受ける。そうであるならセンターバックのどちらかがそういう役割を担うべきれあろう。できれば的確なラインコントロールと球速の速いフィードができる選手。
福岡はそういう選手(ピッチ上のチームリーダー)の不在が大きいように思える。