どこまでも層が厚いアルゼンチン代表

【日本代表VSアルゼンチン代表】:静岡エコパ、45,721人、ボール支配率41%:59%
アルゼンチン代表の手抜きなしの真面目さにまずは感謝。極度の疲労のあとの花試合。
アルゼンチン代表の攻撃が、3トップでしかもサイドからのクロスを中心に仕掛けることは前回、前々回のゲームでわかっていたハズだが、「あの当時の我々と、今のチームは違う」と、ジーコ監督は両サイドの2人のメンバーは鍵をかけたままのそのまま。しかもアルゼンチンの3トップに対して日本の3BKと、横綱同士のゲームでもないのにアジア杯そのままの形でぶつかってしまった。

前半は、アルゼンチンの真面目な攻撃でゲームにならなかった。特に、若い彼らの技術の確かさには目を見張ったし。トラップがブレずしかもバイタルエリアに入り込むと必ず強烈なシュート。彼らのミスもあって良くぞ2点でおさまった、と思う。
日本代表の前線の2人は守備要員でもないのに、相手ボールの時はプレスはかけても、裏への抜け出しや早めの動き出しを全くできなかった。倒れ役の隆行はまだしも、玉田にはそういう役を期待しているハズだが。たぶん「身体が重そう」と隆行が答えていたように、疲れもあったのだろう。試合前にも書いたけど、そろそろフレッシュな大黒あたりを使うべきだ。守備陣も同様で、彼らなりに良くやってはいたがいかにもミスが多かった。アルゼンチンの突破力に両サイドは完璧に抜かれていたし、折角のオガサのキープ力が生かせずバックパスせざろうえない状況が続いた。
日本代表は前半0−2で終わって本当に助かったと思う。

後半開始から中沢→藤田、田中→松田と4BK体制。その後の後半17分、オガサ→本山、福西→遠藤と二人同時交代。最後の残り10分で動けない玉田を山卓に。ようやく山卓登場。しかしオガサ不在でキープ力が不足した前線にはなかなかボールが収まらない。アルゼンチンのバイタルエリアにはスペースが皆目なく、それはそれで見事であった。スペースがないから、日本はバックパス、横パスばかり。たまに三都主が左から仕掛けるが、なかなか繋がらないしボールを失うこと多く再三ピンチを招く。アルゼンチンも疲れや時差ボケなどで、後半途中から動けなくなるがそれにしてもここぞという時の攻撃力は半端でなく群を抜いている。リケルメの度重なるゴール枠をハズした強烈シュートに日本代表は助かる。あれが枠を捉えていれば何点入ったかわからない。
それと、日本代表の攻撃については後半28分、三都主のCKを見事なヘディングで決めた隆行のゴール以外に、見るべきものがなかった。
戦力的にはアルゼンチンが2軍半とはいえ日本代表とは1−2の差以上の大きな差があった。

小笠原満男(鹿島)「前線の動きが足りなかった。顔を上げて、パスの出し所を探す場面が多かった。攻撃に掛ける人数も足りなかった」
それにしても、このような走らない、スペースメークしない、の緩いサッカーで本当にWC予選に勝ち抜けるのだろうか。攻撃も選手任せであったにしても。
しかしアジア杯後スグの親善試合、疲れでミスは多かったものの中盤の寄せなどプレスが最後まで途切れず緩まなかった点はアジア杯も含め全員での守備意識は評価してよいと思う。それがなければ1−8だっただろう。日本のボール支配率、たったの41%。

(この時期にこのマッチメークをしたことに問題があったのでは?の質問に)ジーコ『試合を組む段階では私も協会と議論していた。アジアカップの後だし、2週間後にはインドとアウェーゲームを戦わないといけない。厳しいという意見もあったし、自分もそう思ったが、私は雇われの身だし協会の考えもある。従わざるを得ない部分もあった。アルゼンチンとは3試合目だし、時期的に伸ばしてもらいたかったけどやるしかなかった。』